2021年11月12日金曜日

深窓の令嬢、内田光子さんの思い出

 

11月6日、龍ヶ崎ゲヴァントハウスのCDコンサートで、内田光子さんが弾くモーツアルトのピアノ協奏曲第20番を聴いた。1995年ベルリンフィルハーモニーで収録した放送ライヴである。第1楽章のカデンツィア(オケの伴奏を伴わないピアノ独奏部分)が凄かった。ダイナミックであり、威厳に満ちていた。巨匠の風格でる。
 聴きながら50年前を思いだしていた。私は1970年、内田光子さんにお目にかかっている。しかもご自宅で……。(写真・中。1970年、木村伊兵衛氏撮影)
 当時、私は録音テープの商品企画を担当していた。1969年、SDカセットテープ発売。SDは初の音楽用カセットという高い評価を受けた。SDに使用した磁性紛はオープンリール用に開発したものだが、オープンとしては高域特性が出過ぎて規格はずれだった。これをカセット用に転用したところ、高い評価を受けたのである。
 

私は規格はずれのSDオープンテープを聴いて素晴らしい音だと思った。確かに高域が強調されるが、耳障りではなく透明感がある。ということで1970年3月SDオープンを発売する。この年、第8回ショパンコンクールが開催され、内田光子さんが2位に入賞する。私は内田さんに是非、SDオープンの音を聴いていただきたいと思う。
 内田さんのお宅にお邪魔した。通された部屋は洋風。そこに現れた内田さん。全て、私のような庶民とは異次元の雰囲気である。それもそのはず、お父様は西ドイツ大使などを務めた外交官。内田さんはウィーン音楽院でピアノを学んだ。「深窓の令嬢」とはこういう次元なのだと感じた。

 ピアノを録音したSDオープンを再生すると内田さんの顔が輝いた。「まあ、面白い。音が飛び跳ねるようね」この年、内田さん22才、小生28才。
 2021年、第18回ショパンコンクールで、反田恭平さんが2位に入賞。日本人として内田さんに次いで2人目、51年ぶりの2位入賞である。反田さんが内田さんのような世界的巨匠になる日が楽しみである。



 

2021年11月6日土曜日

贅沢なコンサート(コロナの恩恵)




 贅沢なコンサートから一週間が経つ。
10月30日(土)水戸芸術館で広上淳一さん指揮の水戸室内管弦楽団を聴いた。
水戸芸術館の館長は小澤征爾さんである。広上さんは小澤さんの要請もあり、2000年の開館10周年記念コンサートなど節目のコンサートを指揮している。今回の指揮は6年ぶり、まさに満を持しての登場である。

演奏曲目はシューベルトの交響曲第5番とメンデルスゾーンの交響曲第5番「スコットランド」。「スコットランド」は私の大好きな曲だが、広上さんにとっても勝負曲なのだという。1988年、ズービン・メータの紹介でイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団にデビューした時「スコットランド」で勝負に挑んだという。
水戸芸術館のコンサートホールは室内管弦楽団の専用ホールで入場者は座席数680席。実に贅沢な作りである。今回はコロナ下ということで、入場者を半分に制限。

水戸室内管弦楽団は小澤征爾さんが選んだソリスト級の奏者の団体である。それを日本を代表する広上さんが指揮する。このコンサートを340名で聴く。プライベートコンサートのようである。なんという贅沢であろう。コロナの恩恵である。
広上さんは踊るような指揮で楽員をリード。時には指揮台で飛び跳ねる。特にというか、やはりというか「スコットランド」の躍動感は素晴らしかった。
コンサートには神奈川・山北から弟もかけつけた。
終ってから水戸駅のレストランで乾杯。弟が”神奈川から来ただけのことはあった”と、コンサートの感想を述べた。まずは目出度し……。
帰り、弟は東京行の特急に乗る。私は普通電車に乗る……。ふと気がつくと見覚えのあるホームの景色。慌てて降りる。(写真・下は地上100mの水戸芸術館シンボルタワー)

2021年10月30日土曜日

オリックスの中嶋監督は母校の後輩です

 オリックスが25年ぶりにパ・リーグの頂点に立った。
導いたのは中嶋聡監督(52才)。中嶋監督は秋田の鷹巣(たかのす)農林高校出身。小生の同窓生である。(昭和62年、林業科卒)

中嶋監督の名前を知ったのは昨年の8月。「おい、オリックスの監督に鷹農の後輩が就任したぞ!」と同級生から聞いた。二軍の監督だった中嶋さんが一軍の監督に昇格したのだった。驚きのニュースだった。鷹巣農林は大正2年(1913)の開校。卒業生に東北大教授とか東北農業試験場長はいるがそれは戦前の話、戦後、著名人はほとんどでていない。
その中嶋監督率いるオリックスが2年連続最下位を脱して優勝したのである。

秋田生まれの小生にとっては菅総理誕生に続く祝事である。
ただ、報道記事をみて、淋しさもある。ある報道では監督の出身校を北鷹(ほくよう)高校と報じている。実は鷹巣農林は2011年、近隣の3校に併合され、北鷹高校になったのである。
 鷹巣農林が併合されたことに加えて、コロナが発生し、鷹農同窓会の意気が上がらない。
中嶋監督の活躍を期に、鷹農同窓会の再起を期待したい。

 〇昭和34年(1959)鷹巣農林 創基50年記念(入選)小生が作った祝歌である。
 
   1,緑したたる伊勢堂に 雄々しく聳える我が母校
   幾千有余 若人の    夢と学びの場となりて
   星霜ここに50年
 2,燃ゆる大地に若鷹翼 これぞ母校のシンボルと
   幾千有余 若人が    久遠の理想求めつつ
   学びてここに50年
 3,世相移り変われども 永久に変わらぬ学び舎は
   幾千有余 若人の    勉め励みの庭となり
   栄えてここに50年
 


2021年10月28日木曜日

松山、気迫のイーグル!五輪の雪辱果たす


 10月24日(日)ゴルフ世界最高峰の一つ「ZOZOチャンピオンシップ」(習志野カントリー)の最終日がTV中継された。
 松山は単独首位で最終18番ホール(573ヤード、パー5)のティグランドに立つ。2位Ⅽ・トリンゲールとは2打差。昨日のようにこのホールでボギーを打ち、Ⅽ・トリンゲールがバーディをとると同スコア、プレーオフになり、優勝の行方は混沌となる。
 

松山のティーショットは見事フェアウェイをとらえる。残り約270ヤード。松山は5番ウッドを抜く。打った瞬間、グリーン方向をにらみ「ゴォー」と雄たけびを上げる。ボールはピン側に着地。イーグル。大歓声をあげるギャラリー。松山の気迫に圧倒されたⅭ・トリンゲールはボギー。5打差で優勝だつた。

 東京オリンピック最終日、トップに1打差と迫りながらメダルを逃がした雪辱をはらし、優勝賞金2億3百万を獲得した。松山はインタヴューに答える「4月のマスターズを10とすれば今回は2~3のできだった」それでも気迫のイーグルで優勝できたのは「ギャラリーの存在でした」
 

ギャラリーの入場料だが、1dayが¥25,000、スタートスタンド¥35,000というから驚く。
(写真上①1番スタートホールの松山②18番のイーグルパット)


2021年10月17日日曜日

足尾銅山で生まれました。(老人クラブ・誕生会)

 

7日(木)私の住む町の老人会(刈谷ベテランズクラブ)の定例会が開催された。定例会は毎週木曜日に開催される。「誕生会」は最も重要な行事の一つである。
 コロナで8月、9月の定例会が中止になったので、7日は3ヵ月ぶりの誕生会になった。8月、9月、10月生まれの10名が対象になった。対象者一人、一人がスピーチをした。最高齢は94歳の女性会員、皆さんの挨拶に共通しているのは「刈谷に住んで良かった、ベテランズクラブに入会して良かった、刈谷を終の棲家にしたい」だった。
 80歳を迎えた女性会員のスピーチを紹介したい。
 「年はいいたくないのですが、お陰様で80歳になりました。昭和16年10月10日、 足尾銅山の社宅で生を受けました。生まれた2カ月後には第2次世界大戦がありました。子どもの頃は転々としました。昭和39年に結婚して埼玉で生活をはじめました。この年「東京オリンピック」がありました。昭和60年に終の棲家として牛久を選びました。この年は「つくば科学万博」をやっておりました。8月12日、御巣鷹山に日航機が墜落しました。この日は次男の誕生日でもあり忘れられません。ふりかえると色々ありました。80歳になって2回目の「東京オリンピック」を見ることができました。これから何年生きるかわかりませんが、皆さんにお世話になりながら楽しく過ごしたいと思います。これからもよろしくお願いします」
 足尾銅山は今の日光市にあり、坑口付近に社宅があり、近くに小学校や、商店もあったという。昭和29年、閉山した。
 私は昨年、ベテランズクラブの役員をやったが、裏方は大変である。「名簿の確認」「祝い品の手配」「紹介スピーチの準備」「お祝いの音楽選定」「写真撮影」等……。


2021年10月11日月曜日

渋野日向子、V復活!4人の壮絶なプレーオフ


 10日、静岡の東名カントリーで開催された、女子プロゴルフツアー「スタンレーレディス」で、渋野日向子が優勝した。2019年「大王製紙エルエールレディス」以来、1年11ヵ月ぶりの優勝だった。
 渋野は2019年8月、「AIG全英女子オープン」で優勝し、一躍日本女子プロの女王となった。以来、ファンは渋野の活

躍と渋野スマイルに期待した。しかし、渋野はスランプに陥る。
2020年は国内外での優勝はなく、2021年の東京オリンピック代表の地位も獲得することができなかった。渋野スマイルは消え、渋野は終わったと思ったファンも多いのではないか、私もその一人だった。

10日の渋野はそのような負のイメージを一掃するものだった。
18番ホールでプレーを終えた時、渋野日向子、佐藤心結(マチュア・明秀学園日立高3年)、木村彩子、ペン・ソンウ(韓国)が共に10アンダーで並び、プレーオフになった。
プレーオフは18番ホール(パー5)で行われ、1回では決着がつか

ず、2回繰り返された。渋野は2回とも3打目のアプローチを1ピン以内に寄せ(写真左・下)バーディを奪い優勝した。
その技と精神力は他の3人を圧倒。見事なものだった。
全英オープン優勝の時、渋野はスマイルを浮かべたが、この日の渋野は涙をこらえることができなかった。(写真左・上)
 この大会には今年の賞金ランキング上位3名も参加した。1位で東京オリンピックで銀メダルを獲得した稲見萌寧はー7で8位タイ、2位の小祝さくらはー3で24位タイ、3位で安定したショットが評判の西村優菜はー9で5位タイだった。(写真はいずれもBS11による)

2021年10月5日火曜日

晩酌、大幅コストダウン


 小生にとって、晩酌は毎日のイベントである。
晩酌をするために、毎日過ごしているといっても過言ではない。
オヤジもそうだった。テーブル上座中央に座り、右側に兄、小生、弟、左側に母、姉、妹がすわり、イベントが始まった。家族団欒。楽しかった。「母さん、もう一本」上機嫌のオヤジは空になった銚子を右手で高く上げる。そのうち「ドンと、ドンとドッと、波乗り超えて……」と唄い出す。
 
 小生の夕餉はどうだろう。子どもたちはみな独立し、妻と2人だけの静かな夕餉である。まず、缶ビールをプシュッと明け、グィッと一杯。これがたまらない。これを楽しみに日々過ごしているようなものである。
お気に入りのビールはキリンの「濃い味」だった。ネーミングの通り、”濃く”がある。ただし、これが昨年の酒税改定で高くなった。一箱¥2,964である。以前は3千円だせばツマミも買えたのに、今は買えない。先日、スーパーで格安のビールを発見した。な、なんと一箱¥2,035。バーリアル(BARREAL)イオントップバリュー商品。製造元は麒麟麦酒。試飲してみると、”濃く”はないが、爽やかである。現在はバーリアルを常飲している。因みにスーパードライは¥4,480。高価なビールは外出先で……、これがまた楽しみ。
ビールの後、日本酒をいただく。日本酒は常温、熱燗だと味の違いがでるが、冷やすとどの酒でも美味しくいただける。というわけで、3リットル¥1,243「秋田の雪」を常飲。毎朝、当日分をコップに注いで冷蔵庫に入れるのが日課になっている。
面白いテレビ番組で、夜が長くなる時は、日本酒に次いで、ウィスキーを舐める。お気に入りはバランタイン¥1020なのだが、現在はトップバリューWHISKY¥602を愛飲している。因みにお馴染みのブラックニッカは¥767である。
 そんな安酒飲まなくていいのではないかと、自問自答もするが、コロナ明けの他流試合に備えて、軍資金を貯めておきたいというケチな小生である。