2012年9月30日日曜日

中国、韓国ありがとう。

現在起こっている尖閣、竹島問題で70年間、安穏と暮らしていた私も目が覚めた。
恐らく、日本人のほとんどが(特に戦後生まれ)そうなのではないだろうか・・・。
 昭和17年生まれの私でさえ、戦争の記憶は薄く、父が戦争に行ったとか、地域の先輩達が満州に行ったといってもピンとこなかった。
 そういった意味では韓国、中国は今回、日本国民に歴史、外交の大切さを教えるきっかけを作ってくれた。中国、韓国よありがとうである。これを機会に日本は歴史、外交に関心をもつべきである。
 私が70年間安穏と暮らせたのは、アメリカの戦略にあるようだ。アメリカは戦後、日本を再蜂起させないように、日本を彼等のコントロール下においてきた。その結果、日本人の国家意識は著しく低下し、平和ボケしてしまった。

 先週、元日本大使館勤務のIさんから「戦後史の正体」という本を送っていただいた。著者の孫崎亨さんはIさんの同僚だったとのこと。
 この手の本は難解なものが多いが孫崎さんは高校生でも理解できるように書いたということで、私でも十分理解できた。
 この本によると、アメリカは全て自国の利益を優先して日本をコントロールしているとのこと。アメリカの意志に反した総理大臣は失脚させたというから驚く。裏でCIAと日本の検察が動き、日本のマスコミがこれを後押しするという構図なのだという。
 孫崎さんは推理ではなく米国の公文書等の資料を用いて解説する。
 
 そういえば、尖閣問題についてアメリカは安保の範囲とはいっているが、どこの国の所有権かということについては態度をハッキリさせていない。当事国同士のやりとりの成り行きをみながら、自国にとって一番都合のよい着地点を探っているようだ。
 
 
 

2012年9月21日金曜日

インバル・都響、遂に昇天!

音楽雑誌のレコード評を見ると、インバル指揮・東京都交響楽団のマーラー演奏の評価が高い。
海外の名指揮者・オーケストラのそれを押しのけて”特選”である。

ならば、一度は聴かねばならぬ。20日、先日(13日)二期会の「パルジファル」で興奮した東京文化会館にいそいそと出かけた。会場へ着くと、チケットは完売とある。さすがである。早目にチケットを購入しておいて良かった。(4月26日、購入)

東京都交響楽団定期演奏会Aシリーズ「新マーラー・ツィクルス」の初日である。
曲目は「さすらう若人の歌」と交響曲第一番「巨人」。
初めて聴く、インバル指揮の都響の演奏。都響といえば、中型の行儀の良いオケというイメージだったが、今日の都響は音に深みがある。しかも、演奏への集中力が並みではない。馬力という点では国内外のオケで都響を上回るオケはいるだろう。しかし、楽員一丸となってマーラーに取り組む気迫は尋常ではない。
「巨人」の第4楽章は激しい音楽である。世の終わりを告げるかのように絶望的である。子供の頃、ニュース映画を観た時、大火災発生のバックにこの曲が使われていた。しかし、第4楽章の終幕は勝利の讃歌となる。オケが一丸となって、讃歌を歌い上げる。前面に陣取ったヴァイオリン奏者の林立する弓が矢のように上下する。8名のホルン奏者が総立ちとなる。2人のテンパニー奏者が大上段からステックを振りおろす。インバル・都響は大音響ととも浮上し、昇天。地上から怒涛のような拍手が沸き起こる。

同じコンビによる「巨人」は16日、横浜でも行なわれた。
その時の演奏を音楽評論家の東条碩夫氏はこう評した。「一歩踏み外せば深淵に落ちかねないその危うさの、ギリギリのところで踏み止まり、それがまた絶妙のバランスを保っているのが最近のインバルのマーラーだろう。」

2012年9月16日日曜日

バイロイトに負けない日本のワグナー

 日本の歌手、指揮、オケによるワグナーの「パルジファル」が本場バイロイト音楽祭のそれと比較しても遜色ない。と書くと、音楽ファンの失笑を買うことはわかっているが、私は本当にそう感じた。

 13日、上野の東京文化会館で二期会60周年記念公演ということで、「パルジファル」の初日が幕を空けた。開宴前、拍手が沸きおこったので、ファンファーレでも鳴るのかと思って、後ろを振り返ったら皇太子殿下のお出ましだった。
 指揮者の飯守泰次郎が登場。前奏曲がはじまった時、神秘的で温かい響に引き込まれた。そして、グルネマンツを演じる小鉄和広の堂々たる歌唱を聴いて「なんだ、なんだ」と血が騒いだ。その原因は8月にNHKから放送された、今年のバイロイト音楽祭の「パルジファル」を上回っているように聴こえたからだ。昔は藤原歌劇団や二期会が公演するオペラは「学芸会」と揶揄されたものだ。
 17時からはじまった公演が終了したのは22時。私は日本人の演奏しているワーグナーという先入感を忘れ、スッカリ、ワーグナーの虜になっていた。そして熱唱した歌手陣、指揮者達に惜しみない拍手を送った。
 それにしても空席が多かった。恐らく、不況の中、日本人の演奏するワーグナーに行ってもしょうがないというオペラファンが多かったのではないか。
 5万、6万も払って外来のオペラ公演に行けない年金生活者の私にとって、国内オペラ団の優れた公演はありがたい。

 オペラ公演に先立って、NHKでコンサートライヴ録音一筋の辻本さんにお目にかかり、昼食を共にした。単なる音楽ファンにとって、辻本さんは神様のような存在である。

(オペラ開演前、文化会館テラスでビールを一杯。向こう側は西洋美術館)

 なお、12日は現役時代にお世話になった川上さんが79才で亡くなられた。14日お通夜、15日、告別式。川上さんを慕う方々が、ホテルに泊まって酒を酌み交わし、川上さんを偲んだ。

2012年9月10日月曜日

ドナルド・キーン90歳。夢の実現に挑戦

(2012、7、21 石川啄木の墓を訪れたドナルド・キーン)

 9日、BS・TBSより、「日本人ドナルド・キーン90歳を生きる」が放送された。実にショッキングな内容だった。

 今年90歳になったドナルド・キーンは日本の国籍をとり、鬼怒鳴門と名乗り、さらに現在、3つの夢の実現に挑戦しているというから驚く。70歳で年をとったなどと、いってられない。

 ドナルド・キーンは20歳代の時、源氏物語を読んで、魅せられ、日本文学の虜になったという。(第2次大戦の時は米軍の通訳として日本人捕虜とも対峙した。”小生ブログ2012、3,17キーンが体験した日米戦”参照)その後、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫等の日本文学を翻訳。日本文学を世界に広めた。キーンは日本国より、勲二等、文化勲章を授与されている。

 さて、キーンが今取り組んでいる夢とは何か?

①ドナルド・キーン著作全集全15巻の出版→ドナルド・キーンは現在の世相は文学全集が売れる時代ではない。もし、売れなかったら、出版元の新潮社で皿洗いをやる。と心境を語る。
②ドナルド・キーンセンター柏崎の開館→このセンターに米国のキーンの執務室などを再現。キーンの日本、日本文学への愛の秘密に迫る。
③石川啄木の評伝の執筆→27歳で夭折した啄木。特にその日記には今日的表現が散りばめられているという。その啄木の魅力を解き明す。

 キーンは「90歳の今が一番幸せ」だという。
 それは裏返せば、夢が沢山あるという事だろう。