2009年11月29日日曜日

ファゴットって、600万もするの!


 27日、港区立勤労福祉会館で行われた東京シティフィルの「楽器解剖学」講座をのぞいてみた。

今回の楽器は木管楽器の低音部を支える「ファゴット」。

 講師は同フィルのファゴット奏者である上野健さん(写真)と楽団長の児玉慶三さん。

 木管の低音部を支える楽器だけあって、図体が大きい。全長1m35cm、重量3キロだという。さらに演奏するときは10本の指を使用するので、クラリネットやオーボエ、フルートのように手で持って演奏することはできないという。

 紐で首にかけるという方法もあるが、これだと首が疲れてしまう。吊ズボンのように肩にベルトをかけて、それで支えるのが一般的だという。上野さんは背広を脱いで、肩からかけているベルトを見せてくれた。

 このファゴット、本体はメープルで、よく乾燥させないといけないというので、プロ用は受注生産となり、発注してから出来上がるまで3~4年かかるという。お値段の方も600万円と聞いて驚いた。

 木管楽器だけに湿気には敏感。適度な湿気が必要。ところが、オーケストラには湿気を嫌う太鼓があり、オーケストラの環境問題は複雑。

 オーボエと同様、リードは各奏者の手作り。上野さんはポシュットを取り出し、ナイフや紙やすりなどリードづくりの7つ道具を紹介してくれた。

 オーケストラが創りだす素晴らしい音楽の陰には、各奏者の並々ならぬ努力があることを知った一時だった。


 

2009年11月23日月曜日

お宝録音集


 友人が引越しのために、荷物を整理をしたらNHK録音集「ふるさとのうた」がでてきた。興味があれば送るとのこと。早速送ってもらった。

 この録音集、製造年は1972年(昭和47年)とある。装丁が誠に豪華。分厚い解説書もついている。”ふるさとのうた”とは民謡のことであり、北海道から九州まで全国の代表的な民謡150曲が収録されている。

 再生してみると、各曲ごとに紹介アナウンスがあり、海の波の音や、鳥の鳴き声、舟を漕ぐ艪の音、方言など、関連する音も入っている。

 歌手も当時の名歌手が歌っており、味わい深い。いずれにしろお宝録音集である。

 ただ、問題はカセットテープなので、耐久性が心配ではある。

 この録音集、企画はNHKだが、製造は東京電気化学工業とある。今のTDKである。

 TDK・OBの小生にとっても懐かしい商品である。

 この貴重な録音集、まずは民謡が大好きな92歳の母に聴いてもらいたいと思い、カセットレコーダと一緒に今日宅配便で送った。

2009年11月17日火曜日

樹齢80年、秋田杉の嘆き




 写真の杉の大木は小生の秋田の実家の杉である。


 この度、お寺の改築に使用したいので譲って欲しいという話が持ち上がった。森林組合で見積もりをしてもらったところ、相場は立ち木1本の価格が2千円ほどだという。


 実家の兄は「先祖が手塩にかけた樹齢80年の大木が2千円とは情けない」と嘆く。


 「譲って欲しいという申し出はありがたいが、2千円では売れない」ということになった。


 素人の私が見たって納得できない話である。林は地域の環境保全にとっても重要な役目を負っている。農業について、国のありかたが問題になっているが、林業についても同様、生産者の立場がないがしろにされている。そのわりには農水省のお役人はヌクヌク・・・。ここは水戸黄門様に登場して欲しい。




 もう1枚の写真は組子職人の名匠、小高重光氏が制作した衝立である。


 小高さんは実家のある由利本荘市在住で埋もれ木や秋田杉を素材にした組子作品で度々総理大臣賞を受賞している。。


 同市に作品の展示館を設けているがなかなか売れないという。


 たまたま、神奈川にいる弟が帰郷の折に作品をみて、この衝立が気に入り購入した。


 弟の周辺で、小高さんの作品に対する関心が高まっているという。


 生産地と消費地がジョイントされれば、うまくいくことがありそうだ・・・。


2009年11月12日木曜日

”神の啓示”

      湯本富士屋ホテル、宴会場ロビー
 7日の箱根の結婚式をもって今年の大きなイベントが終了した。それにしても9月から10月のスケジュールは過密だった。市民体育祭、2回の秋田行き、孫の七五三、甥の結婚式、ゴルフコンペ、コンサート・・・。

 8日、久しぶりにノンビリしていると、携帯電話のベルが鳴った。

大手広告代理店の元ロシア支局長のIさんからだった。

 Iさんからは数日前、メールをいただいた。

 「畠山さん、神の啓示ってご存知ですか?私、来年の3月定年を迎えます。会社に暫く残ろうかと思いましたが、地下鉄を降りた時、神の啓示に会い、3月で会社を辞める決心をしました。これから親友としてお付き合い下さい。既にそうだったかもしれませんが・・・」

 改めて”親友”といわれてドギマギした。

 Iさんにお目にかかったのは23年前、世界陸上のイベントの仕事をしていたころである。1974年にはローマとチューリッヒにも同行していただいた。

 仕事でのお付き合いがなくなってからも、Iさんは義理固い方で毎年年賀状を下さった。今年の1月、久しぶりにお会いした。その時、Ⅰさんは「日本サマセットモーム協会」の会員だということを知った。小生など足元にも及ばない教養人だと思った。

 そのIさんからの”親友”のプロポーズ。

 これは小生にとって”神の啓示”のような驚きだった。

 小生は平凡な年金生活者に過ぎないのですから・・・。

 ところでIさんの電話の内容はメールでは言い表せなかった退職の決意に至った”神の啓示”の心境だった。

2009年11月8日日曜日

箱根の結婚式、そして東筑波のコンペ

     式の前、阿弥陀寺を参拝
      結婚式が行なわれたホテル

 7日、箱根の湯本富士屋ホテルで弟の息子の結婚式があった。


私は5人兄弟。全員健在。その兄弟が一同に会した。われわれには14名の子供がいるが、今回の結婚式で全員がめでたく結ばれる。


 今回の新郎は公務員、新婦は教師。似合いのカップルである。


 披露宴冒頭で新郎が立ち上がり、「歓迎の挨拶」を述べた。最後は会場のスクリーンにエンドロールが写しだされる。エンドロールに披露宴参加者全員の氏名が写しだされる。心にくい演出に感心した。両親への花束贈呈では胸につまるものがあった。いつの間にか自分も年をとり、新郎新婦の喜びはもちろん、ご両親の心境も自分のものとして感じられるようになった。


 帰途、兄と甥、姉と上野の鈴本演芸場で落語、漫才を楽しむ。一行は21:15分上野発の寝台列車で帰路についた。




 これを遡る4日、茨城・石岡にある東筑波カントリークラブで高校時代の同級生7人が集ってのコンペ。距離がタップリある難コースで非力な小生はブービーメーカー(ビリ)となった。10月の長野・上田のコンペに続くブービーメーカーである。

2009年11月6日金曜日

孫の七五三、そして”ゲバントハウス管”


        コンサートは山側にある”よこすか芸術劇場”で行なわれた。

 11月1日(日)、孫の七五三が佐倉藩鎮守・麻賀多神社で行なわれ、列席した。


この神社で行なわれたのは息子が9月に佐倉に新居を構えたためである。息子夫婦にとっては二重の喜びである。


 厳しい世相の中、息子夫婦もよく頑張っていると思う。


 これも神のお陰・・・。




 11月3日(火)文化の日、横須賀まででかけた。


ドイツから来日したライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を聴くためである。


このオーケストラ、1743年の創立でドイツ最古のオーケストラであり、メンデルスゾーンも楽長を勤めている。今回の指揮者(楽長)はイタリア・ミラノ生まれのリッカルド・シャイー。シャイーは1996年、ミラノ・スカラ座で「蝶々夫人」を指揮したのを現地で聴いている。


 演奏曲目はメンデルスゾーンの「宗教改革」とブルックナーの「ロマンティック」。「ロマンティック」は宗教的な雰囲気が横溢した名曲であり、聴いていて何度か立ち上がって手を合わせたい衝動にかられた。


 

孫の七五三、そしてゲバントハウス

2009年11月5日木曜日

故郷・秋田新発見④稲住温泉その2


            野趣豊かな露天風呂

 稲住温泉の芳名簿がフロント脇のディスクにあった。


佐藤栄作、水上勉、宇津井健、安岡章太郎、吉永小百合、佐野周二、左幸子など主に昭和時代に活躍された文人、俳優、政治家等の名前が目を引く。昭和30年の「女中っ子」、昭和60年の「ひとひらの雪」等の映画ロケにも使用されている。


 現在、秋田の観光地というと、新幹線が田沢湖を通っていることもあり、周辺の角館、玉川温泉が有名だが、昭和の初期は稲住温泉が秋田の奥座敷として反映したものと思われる。その反映の一旦を院内銀山が背負っていたのかも知れない。


 なお、稲住温泉には昭和55年、芸術院賞を受賞した孤高の建築家、白井晟一がかかわった建築物が多い。その建物の一部が卓球の愛ちゃんのトレーニング場として活用されており、愛ちゃんが受賞した盾や、北京オリンピックの時に愛ちゃんが持って走ったトーチなども陳列されている。
 
 翌、29日は同じ雄勝で中学時代の同級会があり、深夜、秋田を経って、朝茨城の自宅に帰った。家人に酔っ払い運転をしたのではないかと疑われた。嫌疑をかけられても弁解のしようもない強行日程だった。

2009年11月4日水曜日

故郷・秋田新発見③稲住温泉その1




 28日は92歳の母と72歳の母と3人で雄勝にある稲住温泉に行く。


この温泉は実家から40キロほど。昨日通った法体の滝、院内銀山を通って雄勝に入り、宮城県の県境に向かう途中にある秋の宮温泉郷の中にある。


 栗駒山麓に位置している。


 この稲住温泉、行く前に調べたところ、中々の名湯であることが判明した。


 武者小路実篤が逗留したところとしても有名である。


稲住温泉への通路は樹齢100年はあろうかという松林に囲まれていた。温泉の建物は木造。鄙びた名旅館といった感じである。


 支配人が92歳の母を帯同しているというので、特別室に案内してくれた。


 この特別室に驚いた。障子を開けると目前に蓮池が広がり圧倒された。


 

2009年11月2日月曜日

故郷・秋田新発見②法体の滝


        (キャンプが行なわれる滝の前の広場)

 院内銀山「三番葬墓地」で深い感銘を受けた後、雄勝から郡境を超え、由利本荘市に入る。


紅葉が盛りである。


折角なので、いつも素通りしている「法体の滝」にもよることにした。


ハンドルを鳥海山麓方面に走ること約15キロ。視界が開けたところに滝があった。


普段、滝というと、車から降りて、澤づたいを分け入るのが普通であるが、「法体の滝」の手前は原っぱである。


車が200台ほど駐車でき、キャンプ場としても使用されているという。




さて、滝であるが落差57.4メートル、流長100メートルとある。


「法体の滝」の命名の由来だが、空海が滝に拝礼したことから法体と名づけられたという。


円錐に流れ落ちる滝は均整がとれていて拝みたくなるのもムリがない。




今年封切られた映画「つり吉三平」ではクライマックスの釣りのロケがこの滝で行なわれた。