4月28日、私は墨田トリフォニーホールで上岡敏之指揮・新日本フィルのR・シュトラウスの名演に酔っていた。同時刻、水戸では小澤征爾指揮・水戸室内管弦楽団の定期演奏会が行われていた。
水戸室内管弦楽団というと地方のオーケストラと思われがちだが、地方は地方でもレベルが違う。やはり、小澤征爾が音楽監督をつとめ、世界20指に入る(イギリス・音楽誌選定)サイトウ・キネン・オーケストラの選抜チームといってよい。世界の小澤が世界の名手を集めた室内管弦楽団なのである。
この水戸室内の演奏が茨城デジタル放送で生中継され、私はこれをハードディスクに記録していた。再生してみると、大変な名演である。
曲目はメンデルスゾーン生誕200年を記念して、「ピアノ協奏曲第1番」「夏の夜の夢」の2曲。「夏の夜の夢」は1992年小澤はボストン交響楽団を指揮してCD化しており、名盤の誉れ高い。水戸室内による「夏の夜の夢」は、緻密なアンサンブルが素晴らしい。溌剌として、夏の夜、跳ね回る妖精たちが目に見えるようである。
今回の演奏の目玉は朗読に息子の小澤征悦を起用していることである。彼のやや意気込みすぎてはないかと思われる語りが、活力に溢れた小澤の音楽にマッチしている。
演奏が終わると、小澤親子がハイタッチして、会場を沸かせた。
ピアノ協奏曲第1番は世界的に活躍している小管優。メンデルスゾーンのピアノ協奏曲というと、有名なヴァイオリン協奏曲から連想して、ロマンテックなものと予想していたが、むしろ、ベートーベン風の堅固な構成。これを小澤と小管は情熱的に弾ききった。
コンサートの音源をCD-RにコピーしてマイCDを制作した。
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