2017年7月17日月曜日

鳴り響いたストラディバリウス!千住真理子の技

昨日(16日)も茹だるような暑さだった。
その只中、家内とコンサートにでかけた。
「千住真理子ヴァイオリンリサイタル」竜ケ崎市文化会館大ホール。(家から車で30分)午後2時開演。
予定プログラムに入る前、照明を抑えた舞台で、千住は集中豪雨に見舞われた北九州の被害者の方々を思い、バッハを演奏。
 舞台が明るくなり、演奏開始。黒人霊歌「アメイジング・グレイス」、モーツアルト、「アイネ・クライネ」第1楽章と続く。ここで確信する。千住の弾くヴァイオリンの音は今まで聴いた事がない音である。ヴァイオリンの音というより、ヴィオラの音に近いと感じた。その音が奏でるブラームスのソナタ第1番「雨の音」はドラマチックで、シンフォニーのようである。終了後、やや間があって、2階席から「ブラヴォー」という声が飛ぶ。
 休憩時間、真夏の外気と比較すると、大ホールはキンキンに冷えている。
 第2部冒頭、千住が語る「皆様、会場を冷やして申しわけありません。実は、使用しているヴァイオリンは300年前に造られたストラディバリウスです。この楽器は湿気をきらいます。また、ヴァイオリン仲間では暴れ馬と呼ばれ、弾き熟すのが大変なのです。私も弾き熟すのに7年かかりました。今では私の体の一部です」。ネットで調べると、千住の持っているストラディバリウスは「デュランティ」と呼ばれる名器。最初の所有者はローマ法王”クレメント14世”だったとある。
 第2部では千住が「デュランティ」の魅力をあますところなく引き出す為の選曲である。クライスラー、ドビュシー、ポンセ、滝廉太郎と並ぶ。そして極め付けはサラサーテの「ツゴイネルワイゼン」。今まで聴いた事がない骨太で哀愁に満ちたツゴネルである。そのテクニックと力強さ、女性が弾いているとは思えない。
 これぞ、荒馬「デュランティ」を乗りこなした千住の技である。2階の客席から再び「ブラボー」の声が飛び、満員の会場に熱い拍手が鳴り響いた。
(ピアノ伴奏:山洞 智)



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