(筆者はテレビ画面に映るカラヤンを撮影した)
朝ドラ「ひよっこ」、みね子の叔父さん、宗男が茨城の山奥から上京する。目的はビートルズが来日。彼等と一緒に東京の空気を吸いたいというもの。時は1966年、昭和41年。小生24才。この年、クラシック音楽ファンの私にとっては指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンが手兵ベルリンフィルハーモニー管弦楽団を引き連れての来日の方が大事件だった。
(以下、小生の自分史「ドリームⅩ」から・・・。)
東京へ転勤して嬉しかったのはコンサートに行けることだった。カラヤンの来日はビートルズと並ぶくらいの大事件だった。カラヤンは帝王と呼ばれていた。美人モデルと結婚する一方、飛行機も操縦し、音楽以外の分野でも話題になった。会社の中でもカラヤンの演奏会に行きたいという女性が何人かいた。どうやって入場券を買うかである。入場券の発売は3月1日である。私は彼女達に神田にある社員クラブに泊まって初電が走る前にプレイガイドに並ぶことを提案した。
情報によると、入場券を買うファンが3日前から並びはじめ、既に千人以上、日比谷公園に並んでいるという。女性陣は社員クラブをキャンセルし、毛布を持ってかけつけた。クラブのおばさんが言った。「風邪をひかないように・・・。若い人っていいわね。そんな情熱があって。」翌日10時から切符が発売されたが、われわれが切符を買えたのは午後2時30分だった。
購入した切符は4月13日の公演。曲目はベートーヴェンの交響曲第4番と第7番。
今、そのエアチェックCDを聴いている。当時カラヤン56才。気迫に満ちた演奏である。後年、私自身がカラヤンのベートーヴェン交響曲全集のCD化(1977年・普門館ライヴ)にかかわるとは夢にも思っていなかった。
0 件のコメント:
コメントを投稿