27日、港区立勤労福祉会館で行われた東京シティフィルの「楽器解剖学」講座をのぞいてみた。
今回の楽器は木管楽器の低音部を支える「ファゴット」。
講師は同フィルのファゴット奏者である上野健さん(写真)と楽団長の児玉慶三さん。
木管の低音部を支える楽器だけあって、図体が大きい。全長1m35cm、重量3キロだという。さらに演奏するときは10本の指を使用するので、クラリネットやオーボエ、フルートのように手で持って演奏することはできないという。
紐で首にかけるという方法もあるが、これだと首が疲れてしまう。吊ズボンのように肩にベルトをかけて、それで支えるのが一般的だという。上野さんは背広を脱いで、肩からかけているベルトを見せてくれた。
このファゴット、本体はメープルで、よく乾燥させないといけないというので、プロ用は受注生産となり、発注してから出来上がるまで3~4年かかるという。お値段の方も600万円と聞いて驚いた。
木管楽器だけに湿気には敏感。適度な湿気が必要。ところが、オーケストラには湿気を嫌う太鼓があり、オーケストラの環境問題は複雑。
オーボエと同様、リードは各奏者の手作り。上野さんはポシュットを取り出し、ナイフや紙やすりなどリードづくりの7つ道具を紹介してくれた。
オーケストラが創りだす素晴らしい音楽の陰には、各奏者の並々ならぬ努力があることを知った一時だった。
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