コロナ自粛の日々である。
数年間本棚にありながら読む機会のなかった本を読み始めた。瀬島龍三回想録「幾山河」である。505頁の大作。
瀬島龍三(1911-2007)富山県出身。陸軍大学校51期首席。太平洋戦争(大東亜戦争)の参謀本部(作戦課)所属。陸軍中佐。シベリア抑留、東京裁判証人として出廷。
回想録を読むと東条英樹大将(首相)は刑死の前、「この死をもって国民に謝罪し、また陛下に累を及ばさず安心して死ねる」と言い残す。日米開戦時の参謀総長だった杉山元(はじめ)元師は敗戦の責めを負って市ヶ谷の第一総軍司令官室で拳銃により自決。夫人も直ちに自宅で自決した。元師は自決に際し、陛下宛、「謹ミテ大罪ヲ御託申上グル」との御詫びの言上書を奉呈した。回想録によって戦争の厳しさを知る。
NHK・BSⅠスペシャル「独占告白・渡邉恒雄ー戦後政治はこう作られた」視る。
渡邉恒雄(1926~)は東京都出身。東京大学文学部卒業。読売新聞グループ本社主筆。太平洋戦争で徴兵され、近衛師団に所属。軍隊生活で上官から理不尽な暴行を受ける。その反動もあってか、共産党に入党。党員として活動。集団を煽動する術を体験。ただ、同党に個人の自由がないことを痛感。読売新聞に記者として入社。自由民主党の内幕を視る。風呂敷包に札束を入れての同党の派閥戦略。総裁候補連番の密約、裏切り。記者の領分を超え、日韓国交正常化交渉の根回し・・・。唖然とする告白だった。
同じくBS1スペシャル「独裁者ヒトラー”演説の魔力”」。口では「平和」を叫びつつ、人種差別を断行。ユダヤ人はドイツ人が稼いだ富を不当に搾取する人種だとしてドイツ国民を煽動。やがてその矛先はポーランド、ソビエトへと向かう。「わが闘争」によると、現時点で同盟を組むべき相手は、イギリスとイタリアであるとしている。
日本はヒトラーのドイツとイタリアと三国同盟を結ぶ。
瀬島龍三の回想によると、日本が太平洋戦争に引き込まれたのもこの三国同盟が一因だという。アメリカは日本との和睦の条件の一つとして三国同盟の解除を要求していたという。
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