6月15日(金)、成田方面に向かう。午後2時から稲敷市あずま生涯学習センターで「ふれあいコンサート」があるという。主催は精神保健ボランティア「 さくら会」。会場には精神障害のある青少年もいる。演奏中、歩き回ったり、時には奇声も上がる。
演奏するのは白上冴(しらかみさえ)さんを中心にした5人のクラシック室内アンサンブル。障害者の青少年にもナマの音楽を聴かせたいというのが「さくら会」の願いなのだろう。
白上冴さんが演奏したのは、バッハの無伴奏パルテータ第2番。演奏が始まった瞬間、私はただごとではない、と思った。その演奏レベルは一級である。白上さんはアメリカの五大オーケストラ、クリーブランド管弦楽団のヴァイオリン奏者である。同楽団は今年創立100年。6月サントリーホールでベートーベンの全交響曲を演奏。天皇皇后両陛下も鑑賞された。
音楽に素人の私は「ソリストになる実力のない奏者がオーケストラの楽員になる」と考えていたがそれは間違いだった。クリーブランド管の指揮台には世界の巨匠達が立つ。彼らは多様で厳しい要求を突きつける。楽員にはそれに応えられる教養と技術が必要となる。
牛久の隣町にある「龍ヶ崎ゲヴァントハウス」。ここのCDコンサートに、いつも上品な顔立ちのご婦人がいらっしゃる。このご婦人が冴さんのお母様である。7月7日のゲヴァントハウスのコンサートの時「冴のCDです」とお母様からCDをいただいた。
CDでバッハ無伴奏パルテータ第2番を聴いた。特にシャコンヌでは無垢の音と気持ちでひたすら真理を追い続ける冴さんを感じた。手元に世界的な名手といわれるギドン・クレメルの演奏したCDがあった。比較してみたが、芝居がかったクレメルより無垢な冴さんの方がいい。
(写真はCDのジャケットから冴さんとピアノ伴奏の菊池真弓さん。CDにはバッハの無伴奏パルテータ第2番の他にR・シュトラウスのヴァイオリンソナタ、M・ラヴェルのツガーヌ等が収録されている。菊池さんのピアノ伴奏も素晴らしい)
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