2017年3月19日日曜日

野澤さん(元「レコード芸術」編集長)ありがとう

後期高齢者になり,幹事役等の役職はお断りしているが、クラシック音楽愛好会「龍ヶ崎ゲヴァントハウス」の理事は続行。現役時代お世話になった方々をお招きし、講演をお願いしている。
 18日(土)、元「レコード芸術」編集長の野澤龍介さんをお招きした。講演タイトルは「クラシック音楽作曲技法超入門」定員80名の会場は満員。福島、北海道からこられた方もいた。
 野澤さん登壇「私は風貌をみてもお分かりの通り、異端児です。学校は体育系であり、好きな音楽ジャンルはジャズでした。高名な音楽評論家が”なんであんな奴をレコ芸の編集長にするんだ”と上司にかみついたほどです」
 レコ芸の編集長に就任して、クラシック音楽を聴きはじめる。ラベルの「ボレロ」を聴いてジャズファンの野澤さんは気持ちが悪くなったという。3拍子の単純なリズムに乗れない。実はこれがラベルの作曲技法だと気づいた。不安に陥れておいてから、主旋律が表れる。不安になった分、主旋律の美しさが際立つ。さらに、この作曲技法の原点はベートーヴェンにあったと気づく。野澤さんは、指揮者の神髄はこの技法を読み解き、どう表現するかだという。ここで、7名の指揮者による「運命」ジャジャジャジャーンを聴かせる。「運命」は演歌でいえば「津軽海峡冬景色」。歌手が変われば曲の雰囲気も変わる・・・。複眼的な視点からの野澤さんのお話しは実にわかりやすい。
 後半、CDの音に触れる。「最近のCDは音が悪い。これはメーカーが経済合理性を第1にしているからだ。マスターテープは良い音で残っている。大事に商品化すればCDの音はもっと良くなる」
 野澤さんを駅までお送りする。「常磐線でワンカップを飲むのが楽しみなんですよ。前と後の2両にボックスシートが連結されているんです」野澤さんは大の鉄道ファン。ボックスシートでワンカップのフタを空ける野澤さんが目に浮かんだ。野澤さん、今日はありがとう。<写真>私と野澤さん(右)。(酒井文彦さん撮影)

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