2016年10月24日月曜日

秋田の旅(上)月産40億個、本荘産、積層チップコンデンサ

 
TDK-МCC・本荘工場と積層チップコンデンサ(右上)

 10月19日~20日、秋田を訪れた。
由利本荘市にある巨大な工場(TDK-MCC・本荘工場)からレポートしよう。この工場、私の生まれた鮎瀬部落の隣にある。実家で農業をやっている兄が「TDK、随分大きな工場作ったな」と感嘆の声をあげていた。TDKのご厚意で見学することができた。
 敷地面積7万5千坪(東京ドーム2棟分)、工場面積1万7千坪、工場の大きさは幅110m、長さ352m、従業員1,400名。工場の中に入ると、廊下の長い事、ながいこと、向こうから歩いてくる社員が豆粒のよう。元気な時で良かった。
 この工場で作っているのは積層チップコンデンサ。コンデンサは電圧を安定させ、ノイズを取り除き、電気信号を取り出す電子機器に不可欠な電子部品、スマホには500個、パソコンには1,200個、TVゲームには700個のチップコンが使用されるている。
 この積層チップコン、大きさは米粒ほど、最近は砂粒ほどに極小化されている。この微小なチップが300層~700層になっているというから驚く。月産生産量40億個というのにも驚いたが、この砂粒の特性、外観すべて全数検査しているというから驚きを超えて呆れてしまった。(お米は一粒づつ検査しませんよね)
 生産は一貫方式。2ミクロン(1/1000)の誘電体ペーストと電極ペーストを交互にコーティングし、焼成、切断、加工し、検査する。極微の世界だけにその製造設備、方法はノウハウの塊である。検査時間も1個、1秒以下の高速スピードだった。
  廊下で行きかう社員は故郷の後輩達である。すれ違う社員が私達に丁寧に頭を下る、その姿に胸が熱くなった。私が少年の頃「江戸で相撲とる本荘米」という言葉があった。工場を見て「世界で相撲をとる本荘産チップコン」という言葉を連想した。本荘米も斜陽の傾向にあるが、この工場によって本荘米が再起する事を願う。
 
 

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