(ゴーギャン作「われわれはどこから来たのか われわれは何者か
われわれはどこへ行くのか・1897~8」の一部)
拝啓 飯澤 正様
サマセット・モーム著「月と6ペンス」、あまりにも面白いので再読しました。再読して、70才を過ぎて読んで良かったと思いました。若い時、この本を読んでいたら勘違いして自分を芸術家と思い、違った人生を歩んでいたかもしれません。それだけ、この本から受ける印象は強烈でした。
この本のモデルは画家ゴーギャンだそうですね。
私は最近、本を読む時、クラシック音楽を聴きながら読むのが習慣になっております。この本を読んでいる時、聴く音楽はマーラーの交響曲がピッタリでした。モーツアルト、ベートーヴェン、ブラームスのように形式の整っている音楽は合いません。その点、天上の音楽のように連綿と続くマーラーの交響曲を聴きまがらこの本を読むと、別世界にいるような気分になりました。
ところで、さて、ゴーギャン、モーム、マーラーはいつ頃の人間だろうと思い、生年を調べたところ、ゴーギャン1848~1903年、モーム1874~1965年、マーラー1960~1911年でした。この3人、どこかでお互いの作品に触れているかもしれません。
モームを読みながら、マーラーを聴くなど、私の感性もなかなか?勘違いかな・・・。
それにしても、翻訳を担当された中野好夫さんは大したものですね。単に語学が堪能だけでは、「月と6ペンス」のように人間の繊細な心理が入り組んだ小説の翻訳はできないと思います。
飯澤さん、素晴らしい本をご紹介下さり、ありがとうございました。 敬具
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