私がサラリーマンになった昭和30年代は「家族経営」という言葉があった。
会社は一つの家庭であり、従業員は家族。当然ながら修身雇用が常識だった。
私の勤務した会社、東京電気化学工業(TDK)は、秋田県の代議士・斎藤憲三が疲弊する農民を助けるために昭和10年に起こした会社である。私は秋田の実業高校をでて、TDK・秋田工場に昭和35年入社した。当時、秋田には「家族会」というのもあった。
昭和59年(1984年)、TDKに退職者(OB)で組織する社友会が誕生した。
それから30年、20名でスタートした会員は現在1,532名。
社友会の主な事業は新年会と総会と旅行。社友会には東京本部、秋田本部、千葉、千曲川、甲府等の支部があり、それぞれの組織にパソコン、ゴルフ等の同好会がある。地域における奉仕活動も行っている。
活動資金は会員の年会費が基本になっているが、今まで会社、役員から3億円以上の資金提供があったというから凄い。
TDKも今や国際企業であり、家族主義の風潮は薄れてきている。
30年史を見ながら、これからの日本企業&OBはどうあるべきか考えてみたい。
来年はTDK本体が創立80年を迎える。
(小生の寄稿も掲載された)