(8月19日付、朝日新聞より転載)
子供の頃、運動会で母親に「シュン、ビリにはなるなよ!」と言われた。兄はいつもトップグループ、私はいつもビリだった。大人になってもスポーツは全くダメ。
なぜか、その私が世界陸上を主催している世界陸連から、感謝のレリーフを頂戴している。
世界陸上モスクワ大会は18日、9日間の幕を閉じた。10日、女子マラソンでは福士加代子が銅メダル、木崎良子が4位に入賞した。男子マラソンでは中本健太郎がアフリカ勢と競って堂々5位入賞。男子4×100mリレーでは日本がジャマイカ、アメリカ、カナダ、ドイツ、オランダに次いで6位となった。
ところで、男子選手の胸に『TDK』のゼッケンが着いているのにお気づきだろうか?世界陸上は1983年、ヘルシンキで第1回大会が行なわれた。それ以来、モスクワ大会まで、TDKは世界陸上のゼッケンスポンサーを続けている。
実は私は元・TDKに勤務しており、87年のローマ大会、91年の東京大会、93年のシュトットガルト大会、95年のイエテボリ大会、97年のアテネ大会、99年のセビリア大会、の6大会を担当した。そのお陰で87年にはローマでカールルイスとベンジョンソンの百メートルの一騎打ちを観戦。解説者として大会にいらしていた長嶋茂雄氏にもお目にかかった。
スポーツ音痴、語学音痴の私が世界陸上にこんなに長い間お世話になったのは運命の悪戯だったと思う。
1999年、私は世界陸上の仕事から離れるが、世界陸上のマーケティング会社会長から私はセビリア大会100m、200m、400mリレーで3つの金メダルをとったモーリス・グリーンの写真パネルを頂いた。そのパネルには「陸上スポーツの継続に貢献した貴方に感謝します」という英文のレリーフがセットされていた。(リレーフ下のロゴは左から世界陸連、マーケティング会社、電通)
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