昨年9月、インバル指揮・東京都交響楽団によるマーラーの交響曲第1番「巨人」の感想をブログに掲載した。これは稀にみる名演だったが、昨日(16日)、東京芸術劇場(池袋)で行なわれたカンブルラン指揮・読売日本交響楽団によるマーラーの交響曲第6番は名演という次元を超えた凄演だった。
その理由の第1番は同じマーラーの交響曲でも第1番と第6番では作品としての円熟度が違う事だと思うが、パワーの点でも後者の方が圧倒していた。ステージに並んだ楽員は120名ほど。
ホルン奏者はマーラーの指定は8本なのだが、9本。(読響のホルン奏者は5名しかいないので、4名は補充したことになる。)
第1楽章の地獄へ進むような行進曲からして、色彩豊かな大音響が超満員の大ホールに鳴り響く。マーラーの音楽は絵画でいえばピカソ?形式(様式)があるようなないような、千変万化である。聴いている聴衆の頭脳も肉体も異次元の世界に浮揚する。
第6番は80分におよぶ大曲。第4楽章のクライマックスで、最上段中央に打楽器奏者が移動。頭上高くハンマーを振り上げ、振り下ろす、ドーンという鈍い音がホールに鳴り響く。太鼓とかテンパニーといった既存の楽器にない音まで求めたマーラー。これぞマーラーの真骨頂である。第6番には「悲劇的」という副題がついているが、小生はハンマー交響曲と呼びたい。
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