(NHKのスタジオで番組制作中の辻本さん)
17日(土)隣町・竜ヶ崎市の音楽愛好会「ゲヴァントハウス」で、同会の五周年を記念してNHK音楽プロデューサー、辻本廉さんの講演会が開催された。
講演テーマは「秘蔵音源でたどるNHKクラシック番組収録技術の変遷」
ラジオのステレオ放送というとFM放送が一般的だが、FM放送がなかった頃、なんとAMの2波を使用してステレオ放送が行われた。1950年~60年代の話である。当時は「立体放送」と呼ばれていた。(そういえば、私は実家の秋田で中学生の頃、この立体放送を聴くため、兄と電波状態が比較的良い、2階にラジオを2台並べて聴いた。NHK第1放送が左チャンネル、NHK第2放送が右チャンネルだった。)
講演では「立体音楽堂」で放送されたシュヒター指揮・NHK交響楽団の「ローマの松」(1959年録音)が再生されたが、その立派な演奏と音の良さに驚いた。収録会場は内幸町にあった旧NHKホール。
1953年、NHKテレビ放送が開始されるが、当時のビデオテープレコーダの音声はカセットテープ以下の音で音楽には向いていなかった。
画期的なのは近年、辻本さん等NHK技術陣が1957年カラヤン・ベルリンフィル初来日のフィルム録画映像にステレオで収録した音声をシンクロさせDVD化した事である。同様の手法によって1975年ベーム・ウィーンフィル初来日の演奏も素晴らしいステレオ音声によって蘇りDVDとなった。
ところで、今回の講演は私が辻本さんに依頼して実現したのだが、私が辻本さんに最初にお目にかかったのは2004年4月4日、初台の新国立劇場だった。当日の出し物はワーグナーの楽劇「神々の黄昏」。辻本さんを紹介して下さったのはアルトゥスミュージックの斎藤啓介さんだった。これがご縁で「伝説のクラシックライヴ」(TOKYO FM出版)に執筆をお願いすることになった。
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