アウンサンスーチンは1945年生まれ、私とほぼ同世代。1991年、46才でノーベル平和賞を受賞したのだから凄い。
ところで、スーチンの父親、アウンサンは日本軍と関係が深かったのだという。
ミャンマー(ビルマ)はイギリスの植民地だった。アウンサンはイギリスから独立する夢を見る愛国者。アウンサンの耳に「遠方の仏教国、日本がヨーロッパの列強ロシアを戦争で打ち負かした」という情報が入る。アウンサンは日本と協力すれば独立の道が開けるのではないかと思う。
しかし、東京に滞在して、日本軍に不信感を抱く。建前は同じアジアの仏教国として戦おうと言っているが、本音はミャンマーを「日本の天皇を頂点とするピラミッドの底辺を支える従順で勤勉なアジア民族の一つ」としか考えてないのではないかと・・・。つまり、支配国がイギリスから日本に変わるだけではないかと・・・。
1941年、 アウンサンは日本軍と一緒になって、イギリス軍をミャンマーから追い出すが、1945年には、連合軍と組んで、日本軍を駆逐する。1947年、アウンサンは政敵により暗殺される。スーチン2歳の時である。
これはイギリスの「インディペンデント」紙、特派員ピーター・ポパムが書いた『アウンサンスチー”愛と使命”』(明石書店)の冒頭部分の概要である。
600頁近い大作だが実に面白い。先日読んだ「戦後史の正体」同様、深い感銘を受けた。
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