「デルス・ウザーラ」。結氷した湖上を渡るウザーラとロシア軍測量隊
今、評判の映画「剣岳」を観た。
伝説の活動屋、木村大作が命をかけただけあって、凄い映画である。木村は「これは撮影ではない”行”だ。」という。本物の映画であり、男の映画でもある。
原作は新田次郎。2006年、息子の藤原正彦に映画化のお願いをしたという。藤原正彦は「国家の品格」を書いた数学者であり作家。藤原は木村だったらということで快く許諾した。
木村は黒澤明を師と仰いでいる。現場では「黒澤さんだったらどうする。」と考えたという。
「剣岳」をみて黒澤明が監督したソ連映画「デルス・ウザーラ」を思いだした。「デルス・ウザーラ」は1900年初頭、地図上、空白地帯だったシベリアの未踏の地を軍の探検隊が測量に入る話である。この時ガイド役をつとめたのが、先住民である「デルス・ウザーラ」である。ウザーラは剣岳でガイド役をつとめた宇治長次郎(香川照之)と立場が似ている。ただ、ウザーラはタイガ(密林)の妖精といわれるほどの自然人であり、後半、眼が衰えて猟ができなくなり、非業の最期を遂げる。
「デルス・ウザーラ」の映像も「剣岳」同様、自然は厳しく、映像は美しい。
「デルス・ウザーラ」は1975年アカデミー外国語映画賞を受賞している。
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