2023年7月22日土曜日

炎暑のイベント(上)燃え上がった小山実稚恵

17日、うだるような暑さである。気温35度。気合を入れて駅に向かう。3時から水戸でNHK交響楽団のコンサートがある。N響のコンサートだったら東京でも聴ける。ただ、N響を東京で聴くとなると良い席が取れない。今回は19列目のセンターの席が獲れた。しかもお値段は5,500円である。

曲目の前半はラフマニノフ作曲ピアノ協奏曲第3番。ピアノ協奏曲の中で、技術的にも音楽的にの難曲中の難曲といわれる曲である。小山実稚恵が弾く。バックは広上淳一指揮のN響。小山が燃えた。フォルテの部分では、全身をバネのように使って鍵盤を叩く。オケの最強音と融合した強烈な音がホールを満たす。独奏部分では研ぎ澄まされた美音がジェットコースターのように駆け回る。小山はラフマニノフに取りつかれたように弾きまくる。衝撃的な演奏だった。
後半、広上淳一が指揮したベートーヴェンの交響曲第7番も良い演奏だったが、予測の範囲。音は抜群。このホール、客席数1,500名。しかも私の座った席は1階席でもせり上がったところの中央である。左サイドから第1ヴァイオリン群、右サイドから第2ヴァイオリン、チェロ、コントラヴァスが聴こえる。ピアノは中央。まさにステレオサウンド。どんな高価なオーディオ装置でも再現できない音場空間だった。
N響はザルツブルグ音楽祭にも参加しているオケだある。その名人芸を十分味わうことができた。
帰り、5時34分水戸発の電車に乗る。奮発してグリーン車2階席へ。冷たいビールをいただきながら、窓外を見る。夕焼けの逆光の中に真っ黒な筑波山が浮かぶ。
東京では味わえない、贅沢な演奏会であり、その余韻だった。



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