2023年4月28日金曜日

NHK・TV「魔改造の夜」でTDK世界新記録!43秒41

 昨日(27日)のNHKテレビ、19:30の番組宣伝を見る。『新・魔改造の夜』おもちゃ家電を大改造”怪物マシン”誕生!「トラ・ウサギちゃん50mバトンリレー!」巨大メーカー3社激突。超一流技術者がバトル。
巨大メーカー3社とは「セラミックや電子部品など様々な事業展開のKセラ(京セラ),カセットで世界的に有名。電子部品で世界展開のT・DK(TDK),オートバイなど輸送用機器大手のYマハ発動機(ヤマハ発動機)

この3社が開発したトラちゃんとウサギちゃんがバトンタッチして50mをいかに早く走るかの戦いである。結果はTDKが一位。43秒41。世界新記録を達成した。

TDK開発チームの中心は12名(写真・上)。リーダーはデジタルデータを活用してスマートファクトリーの推進をしている北村智子。バトンタッチ、走行設計にはセンサーに詳しい技術者を配置した。開発段階で石黒会長、齋藤社長も応援にかけつける。石黒会長は「本業はいいから魔改造に
集中しろ」と激励。北村リーダーは「勝たなくては意味がない」と、チームを牽引する。第一走行では、トラちゃんとウサギちゃんのバトンタッチがうまく行かなかったが、第2走行で見事成功。(写真・左)。開発チームは歓声を上げ抱き合う。

TDK・OBの私としては、WBC以来、緊張と感動の65分だった。後輩の熱量を浴びて、50
年前、カセットテープ世界制覇を目指して燃えた日々を思いだした。
開発チームの皆さん、お疲れ様でした。ありがとう。


2023年4月22日土曜日

音楽の指揮者とは/金子建志先生講演会

 15日、隣町、龍ヶ崎市にあるクラシック音楽グループ「龍ヶ崎ゲバントハウス」は著名な
音楽評論家・音楽学者・指揮者である金子建志先生をお迎えして講演会を開いた。
講演テーマは”指揮の見方”~過去の大指揮者の棒はなぜ判り難いのか~
クラシック音楽に興味のない方にはどうでも良いことである。ただ、指揮者による音楽の違いに目覚めると、同じベートーヴェンの「運命」でも、演奏によっては、勇気が湧く場合もあるし悲嘆に打ちのめされることもある。指揮者は音楽に対する自分の思いを身振り手振りで楽員に伝える。その方法は千差万別なのである。
ということで、金子先生の講演のエキスを……。
 
 カラヤンの指揮は芝居じみているという方もいますが、多様なテクニックを駆使する天才です。必ずしも楽譜通りに指揮しません。これはカラヤンがオペラ指揮者だからです。オペラの場合、歌詞も理解し、歌手の調子も見ながらまとめなければなりません。その場に合わせて柔軟に対応できる即興性が必要です。

 楽員は指揮者のどこを見れば良いか。一般論としては「腕」特に「手首がポイント」ですが、ゲオルグ・ショィルテイは「肘」が持論でした。ショルティはフォルテの場合だけではなくピアニッシモの部分でも派手に肘を動かしました。しかし、この指揮は楽員との意気が必ずしも一致しない。映像を観て下さい。「展覧会の絵」プロローグの場面です。管楽器奏者が完全に無視しています。(笑)

 バーンスタインを最初に聴いたのはニュヨークフィルとの来日の時(1970)でした。当時の私の先生は柴田南雄さんでした。柴田さんはバーンスタインを評価していなかった。柴田さんから招待券をもらいました。バーンスタインは荒っぽい指揮者だと思っておりました。当時の来日オケは国歌の演奏をしておりました。案の状、アンサンブルは乱れており、ベーム・ウィーンフィルとは大違い。しかし、マーラー(9番)の第一楽章の終わり頃からとんでもない演奏だと感じはじめ、終楽章の静寂で圧倒されました。体が動きすぎると思いますが、音楽と連動して自然に動いてしまうものであり、体全体から音楽がほとばしる。これがバーンスタインだと思います。




2023年4月18日火曜日

酒の国秋田「首都圏秋田県人会」


4月16日(日)12時~九段下のアルカディア市ヶ谷で、令和5年度首都圏秋田県人会定期総会・懇親会が開催された。
県人会に参加したのは初めてである。 
 会場に着くと受付の方から名札を渡された。名札には「えがべの会」とある。どうも参加者は秋田県のマスコミ、銀行、学校、地域の首都圏の代表の方々が多いようだ。
「えがべの会」とは、その他大勢の代名詞のようである。
指定された席に着くと、向かいの紳士の会話が聞こえる。「TDK、うんぬん」と語っている。「TDK・OBの畠山です」と名刺を差し出す。「やあ、んだすか、にかほふるさと会の会長の小松です。しえば、畠山さん、高校はどこ、何年生まれ」矢継ぎ早の質問。「にかほはTDK発祥の地」なのである。
隣の席は、なんと若い女性。名刺を差し出すと、「秋田北高校新体操部OBの○○です」とのこと。秋田北高は県内女子高のトップである。

私が鏡割りの写真を撮っていると、「写真お撮りします」と私のスマホを要求。親切な姿勢に感動!宴会となり、迷いながら一升瓶を北高のマドンナに向けると、「いただきます」とコップを差し出す。さすが秋田は酒の国である。同県人同志となると、初対面なのに垣根が崩れていく。しかし、小生81才。調子に乗ると何が起こるかわからない。ほろ酔い気分で宴会場を後にした。桜の花びらを踏みしめながら、市ヶ谷駅に向かった。
(鏡割り、左端は秋田県出身の橋本五郎さん-読売新聞・特別編集委員)


2023年4月10日月曜日

ナチスのメッカとして利用されたニュルンベルグを舞台にした楽劇


 毎年、桜の咲くこの時期、上野・東京文化会館を舞台に「東京・春・音楽祭」が開催される。

目玉はなんといっても、「東京春祭ワグナーシリーズ」である。クラシック音楽を代表する作曲家はバッハ、モーツアルト、ベートーヴェンというのが定説であるが、ワーグナーの音楽にはこれらの作曲家にない魔力を感じる。

今回の出しもは《ニュルンベルグのマイスタージンガ―》。ワーグナーが20年かけて1867年完成。1868年ハンス・フォン・ビューローの指揮によって初演された。作曲中、ワーグナーはビューローの妻コジマと不倫関係にあったというから驚く。

ワーグナーの作品のほとんどは神話や伝説によるものだが、マイスタージンガ―は実在した靴職人ザックスを主人公にしたドラマである。ザックスは終幕で「神聖ローマ帝国は煙と消えようとも、聖なるドイツ芸術は我らの手に残るだろう」と高らかに歌う。そのドイツの中心がニュルンベルグなのである。

 ワーグナーはこの楽劇でニュルンベルグを政治に代わって芸術が支配するユートピアの地として謳い上げるが、20世紀、ナチスはニュルンベルグを、国粋主義、国家社会主義のメッカと位置づけ、この楽劇を国威高揚に利用。第2次世界対戦でニュルンベルグは連合軍に爆撃され焦土と化す。

6日は演奏会形式の上演で、主役陣は外来の名歌手達、オーケストラは日本が誇るNHk交響楽団。指揮は1939年、ワルシャワ生まれのマレク・ヤノフスキ―(右上)。5時間30分(休憩2回)立ったままの指揮で聖なるドイツ芸術を謳い上げた。コロナ明けの会場には「ブラボー」の声が飛びかった。





2023年4月5日水曜日

80才、エアチェック人生再燃(中)「エアチェック=カセット文化総括本」発売される!


3月7日、「80才、エアチェック人生再燃」というブログを書いた。           
3月31日、「エアチェック=カセット文化」を総括した本が発売された。
『シティ・ポップとラジカセ 』徳間書店、が、それである。
本誌を見ると、稲垣潤一、杉真理、鈴木茂、伊藤銀次、EPOという「シティ・ポップ」のスターのインタビューと名盤が掲載されている。「シティ・ポップ」ファンには垂涎の内容である。
誌面の半分は「シティ・ポップ」ブームの舞台裏ともいえる「カセット文化=エアチェック文化」の内容になっている。「カセット文化=エアチェック文化」は「シティ・ポップ」に限らず、音

楽全般を支えたものでり、ジャズ・クラシックファンにとっても貴重である。
 1970~1980年代はFM番組を紹介する本が4紙も発売されていた。「FMステーション」(ダイヤモンド社)「FMファン」(共同通信社)「週刊FM」(音楽之友社)「FMレコパル」(小学館)である。凄いですね。
 その番組を見て、多くの音楽ファンが「エアチェック(録音)」して音楽を楽しんだ。録音機材の中心が「カセット」だった。誌面にはTDK、ソニー、マクセル、フジフィルムの代表モデルがズラリ!勿論、ラジカセの歴史、代表モデルも登場する。

 所有するカセットテープが2万巻というℤ世代の若者のインタビューも。

そして、なんと「ブログ・人間浴」の筆者のインタビューも掲載されているのである。そのタイトルが、なんと「黄金時代に開発に関わったOBによる証言」。凄いですね。