2023年3月7日火曜日

80才、エアチェック人生再燃(上)

私の人生は「エアチェック人生」だった。                                                                  
”エアチェック”といっても現在は死語である。”空気をチェックする”つまり自動車のタイヤの空気圧をチェックする事ですか。ということになりかねない。”エアチェック”とはウイキペディアによると「個人が私的にラジオ・テレビの放送番組を録画・録音して楽しむこと」とある。                                                                      
クラシック音楽ファンである私はFM放送から流れる音楽を録音するのが趣味である。エアチェックの一番の目的はナマ演奏のライブ感を楽しめるということである。レコードはお客さんを入れないスタジオ録音が多い。しかし、FM放送ではナマ演奏も放送してくれる。演奏がはじまる前の会場の張りつめた雰囲気、一発勝負の演奏、演奏が終わった後の熱狂的な拍手。そのライヴ感がたまらない。

FMエアチェックの機材というとFMチューナとカセットが一体になったラジカセが一般的だが、エアチェックマニアは録音機材に途方もないお金をかける。私もFM放送を最高の状態で録音するために、53年前、ルボックス(写真)というヨーロッパ製のオープンリールデッキを2台購入した。購入価格は併せて60万円超だった。ヨーロッパのオーケストラが奏でる深い味わいの音を求めたのである。
録音テープはオープンテープからカセットテープとの共存(写真・上)の時代に入る。私は録音テープの商品企画をしていたが、個人的にカセットテープの特性に満足していなかった。従って、私の個人的な録音機材はオープンテープからデジタルの録音システムであるDATに変わり、現在はCDレコーダである。
デジタルになって、FM音声を忠実に録音できるようになったが、昔、聴いたルボックスの音は再生できない。アナログの音にはデジタルの忠実性にプラスされた固有の音が加味される。CDが普及してもLPレコードファン、カセットテープファンが存在する理由である。

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