2016年12月11日日曜日

アナログかデジタルか?音はどっちがいいの?

新先生(後列、右から3番目)とゲヴァントハウスのメンバー
 
 10月以降、カセットテープに関連したイベントがあった事もあり、音について、どう説明していいか迷っていた。周波数特性、ダイナミックレンジともカセットテープに比較してCD等のデジタルの特性は優れている。なのに「カセットの音は暖かい」「カセットの音の方が聴きやすい」という声が聞こえる。

 昨日(10日)、オーディオ界の第1人者である新忠篤先生(宮内庁の依頼で昭和天皇の玉音放送の原盤を再生)の講演があった。(私も理事を務めるNPO法人・龍ヶ崎ゲヴァントハウス主催)
 講演のテーマは「蘇る往年の名演奏」。なんと1920年代~1950年代に録音されたSPレコードを復刻したコンサートである。ノイズはあったが、SPの音は中低音が充実していて実にリアルである。音場感も十分。
 先生に質問した。「先生、これモノ―ラルですよね。先生はモノ―ラルとステレオをどう考えておられますか」。先生は待ってましたとばかり、こう答えられた。「ステレオは平面的に音が広がりますが、モノ―ラルの方が音に奥行きがあります」。単純にモノ―ラルよりステレオの方が音が良いと思っていた私には意外だった。
 先生の話によると、SPにはとてつもない情報量が記録されているのだという。(30センチ盤で片面4分しか記録されてないという状況を考えれば想像がつく。それだけ、ゆとりを持った記録がされているのだろう)蓄音機では再生できなかったが、デジタル技術により、再生できるようになったのだという。
 アナログとデジタルのどちらが音が良いかでなはい。両方の機器を使いこなして本物の音を録音、再生できるかである。結局、それに携わる人間の知恵と感性が音を決める。

 カセットはメタルポジションを使用しても1万5千ヘルツ以上の超高音域の音の録音は難しい。「カセットの音が聴きやすい」理由は超高音域特性が減衰しているために、逆に人間の声とか、音楽にとって一番重要な中低音が充実したバランスになる為ではないかと推察する。
 

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