2014年7月10日木曜日

小澤征爾・水戸室内のベートーヴェン第7番


2010年、食道ガンの手術を受けた小澤征爾が奇跡のカンバックを果たしている。
去る5月25日、水戸市で自らが音楽監督をしている水戸室内管弦楽団を指揮し、ベートーヴェンの交響曲第7番を指揮した。この模様は茨城県限定でTV放送され、茨城県在住の小生はその恩恵にさずかった。

音楽は世界共通語である楽譜に従って演奏される。小澤が指揮しようが、誰が演奏しようが、変わりはない。ベートーヴェンはベートーヴェンではないかという見方もある。
ただ、音楽を聴き進んでいくと、そのベートーヴェンも演奏者によって印象が違うことに気がつく。
幸い、日本ではベートーヴェンの第9番「合唱」がプロの演奏者のみならず、身近な町の演奏者によっても演奏される。クラシックファンでなくとも同じ曲でも演奏者によって印象が違う事を体験できる。

5月、水戸と川崎で行なわれた小澤征爾・水戸室内によるベートーヴェンの第7番は多くの評論家が最高の名演と評価した。それは欧米の古今の名指揮者の演奏者と比較してもひけをとらないというものだった。

私も小澤が表現した「舞踏の化身」と評されるこの交響曲第7番の躍動感に興奮してしまった。
小澤征爾は24才の時、スクーターとギターを持って貨物船に乗り、渡仏した。以来「西洋音楽の神髄をどれだけ見極められるか。その実験だ」という基本姿勢でクラシック音楽に立ち向かってきた。
その成果がベートーヴェンの第7番だった。

小澤征爾(1959年生まれ。文化勲章受章。ボストン交響楽団、ウィーン国立歌劇場音楽監督歴任)

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