(由利本荘のシンボルである鳥海山と「カダーレ」。そして僕の中学時代)
6月、実家の「畠山家兄弟会」があったばかりなのに、こんどは(7月21日)中学の同期会である。
年金生活の身である。東京から、会場である秋田・由利本荘市までの交通費を調べる。新幹線・飛行機・マイカーはともに往復3万円前後。最も安いのは深夜バスである。深夜東京を出発して早朝、秋田に着く。ルートは3つある。①東京・由利本荘往復1万7千円くらい。②東京・横手往復+横手・由利本荘バス往復=1万5千くらい。③東京・酒田+酒田・由利本荘JR往復=1万3、800円。
一番安い③で行く事にした。この料金だと、同期会の会費7千円を払っても新幹線往復より1万ほど安い。ところがである。深夜バスは狭くて寝る事ができない。しかも長時間である。酒田行きは東京出発が22時、酒田着が8時45分。なんと10時間45分の旅である。案の定、乗客は元気の良い若者ばかり。しかも女性客の方が多い。
しかし、この深夜バス。素晴らしかった。久しぶりに見る大東京の夜景。(深夜バスは窓のカーテンが締まっているので、隙間から外の景色を覗く)どこまでも続くラブホテルのネオン。最大のプレゼントは早朝の湯殿山越え。窓越しに出羽山々(羽黒・湯殿・月山)の絶景が広がった。
早目に本荘駅についたので、駅前にできた由利本荘市文化交流館「カダーレ」に寄った。奇抜な外観と立派な図書館に仰天した。この図書館には昭和29年、本荘町が本荘市になってからの「市政だより」も保管されている。もしや?と思って第1号をめくってみると、祖父・畠山敬治が写真入りで掲載されている。当時祖父は石沢村の村長で本荘町に合併する経緯を語っている。
「カダーレ」とはギリシャ語かと思ったらこの地方の方言「かだれ」に因んでいるという。この地方では「仲間に入る」ことを「かたれ」というのである。
「カダーレ」は新居千秋の設計であり、2012年度・日本建築家協会賞を受賞したという。郷里・由利本荘にもこのような斬新な交流館を作る熱意があるのだ。交流館を起爆剤としてさらに発展して欲しい。
肝心の「石沢中学同期会」は午後2時から市内「安楽温泉」で開催された。宴会の前にゆっくりと温泉に浸かった。参加者は22名。往年の秋田美人にお酌をしていただき、酩酊。帰りは象潟でTDK時代の友人・今野隆君にお目にかかり、酒田発20時のバスに乗車。翌朝、窓越しに巨大な東京スカイツリーが姿を現す。6時20分、バスは無事、東京駅・鍛冶橋に到着した。