2013年5月7日火曜日

ウィーンからきた”天使の声”。音楽に国境はない

 
6日、牛久市中央生涯学習センターでウィーン少年合唱団のコンサートが行なわれた。

 私がウィーン少年合唱団の存在を知ったのは高校時代(55年前)公開された映画「野ばら」である。ハンガリー動乱でオーストリアに逃れてきた少年トニーが合唱団に入団するまでの心温まる物語だった。トニーを演じたミヒャエル・アンデの愛くるしい顔が瞼に浮かぶ。

 牛久に登場した、「ウィーン少年合唱団」(24名)の顔ぶれを見て驚いた。合唱団には白人もいれば黒人もいる。日本人も2人いる。指揮者はなんと韓国人の女性、ボミ・キムである。

 1498年、ローマ帝国の皇帝はウィーンの王宮礼拝堂の聖歌隊を創設した。その中に6人の変声期前の少年聖歌隊があり、これがウィーン少年合唱団の原点となった。それから515年、合唱団員の顔ぶれは人種を超え、国境を越えた。合唱団の音楽的水準を維持し、高めるために、果敢にグローバル化を進めてきたのである。そういえば、日曜・祭日のミサで共演するウィーンフィルハーモニーの前音楽監督は小澤征爾だった。今年開催されるザルツブルグ音楽祭にはNHK交響楽団が初登場する。
 ヨーロッパの小国オーストリアは音楽において、世界をリードしているのである。ウィーン少年合唱団の「天使の声」も同国の大人達のロマン(世界戦略)に支えられているのである。

 牛久公演のプログラムも全世界の名曲を網羅している。
 ヨーロッパの宗教音楽にはじまり、アフリカ、インド等の世界の祈りの歌、流浪の民などのドイツの歌、そして日本の歌三曲。最後はウィーンの名曲、シュトラウスで締めくくる。
 特に天使の声によって歌われた「花は咲く」「故郷」「ソーラン節」は会場を埋め尽くした聴衆に深い感銘を与えた。”音楽に国境はない”ということを再認識させた。



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