2013年5月16日木曜日

75ムーティ・ウィーンフィル来日。驚嘆!「鮮世界」

 
1975年ウィーンフィル来日公演といえば、クラシックファンにとって、伝説の公演であり、珠玉の思い出である。
 それは何故かというと、指揮界の帝王、ヘルベルト・フォン・カラヤンと人気を2分するカール・ベーム(当時80才)が同行したからである。この公演のチケットを購入するためには郵便ハガキで申込みを行い抽選するという方式を採用したが、主催者側のNHKに17万通のハガキが殺到したというから驚く。
 ベーム・ウィ―ンフィルは期待にたがわぬ名演奏を繰り広げ、その模様はDVD、CDで発売されベストセラーになっている。

 ところで、この時、もう一人の指揮者が同行していた。リッカルド・ムーティである。
今や巨匠の域にあるムーティだが、この時ムーティは弱冠34歳。イタリアが生んだ期待の若手指揮者だった。
 この時、ムーティがウィーンフィルを指揮した公演のCDが今月20日、発売されることになった。巨匠ベームに対し、ムーティはどんな演奏をしていたのであろう。幸運にもサンプルCDが手に入った。
 収録されていたのは1975年4月3日、NHKホール。プログラムの後半、ドボルザークの「新世界」を聴く。音が出た瞬間、驚く。なんと解放的な音なのだろう。そして新鮮なのだろう。38年前の収録とはとても思えない。確かに最近のデジタル録音と違って、わずかにヒスノイズも聴こえる。ただし、音の鮮度、解放感はただごとではない。NHKホール2階席最前列で聴いているような生ナマしさである。
 演奏の方もこれと呼応するように小細工をせず、情熱的。手垢に塗れた「新世界」が新鮮に聴こえる。そして、なによりもウィーンフィルの底知れない名人芸が郷愁の旋律を豊かに謳う。
 アンコールのヴェルディ「運命の力」序曲は火を吹くような凄演!

 解説書の最期。光栄なことにSpecial thanks to:としてウィーンフィルとともに、小生の名前が記されていた。冥途の土産である。


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