2月5日、14時~NHK教育テレビで「思い出の名演奏」が放送された。
私はこの放送があることを知らなかったが、番組の制作に携わられた辻本 廉さんからメールをいただき知った。
番組の内容は1975年カール・ベームがウィーン・フィルとともにNHKホールで演奏した時の模様である。演奏曲目はブラームスの交響曲第一番。冒頭のドン、ドン、ドンというティンパニーの連打を聞いただけでこの演奏がとてつもない演奏だと身震いした。
辻本さんのメールによると、当時のビデオの音声はモノラルだったという。今回ビデオの映像にFMのステレオ音声を同期させて完成させたという。36年前の演奏会が見事に蘇ったわけである。
この放送には演奏会の模様だけではなく、リハーサル風景などもあり、当時80歳だったというベームの矍鑠たる姿も映しだされる。そして何よりも終演後、舞台に押し寄せる音楽ファン達の笑顔である。手に花や扇子を持って押しかける。これに舞台上からベームがにこやかに応える。
放送のアナウンサーによると、この時のベーム・ウィーンフィルの演奏会への申し込みは17万通だったという。
当時はベームの他にカラヤン、バーンスタインという名指揮者がいた。今はどちらかというと、ベームはカラヤン、バーンスタインの陰に隠れた存在だが、カラヤン、バーンスタインもこの日のような熱狂を巻き起こしたことはない。
その原因はどこにあるか?それは、ベームの自然体にあるのではないかと思う。ベームは「自然体の巨人」だと思った。
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