2010年5月21日金曜日

プロ顔負けの貴重な昭和史

    (豪華ケースに入った、鈴木さんの自分史3部作)
 私が住んでいる刈谷地区は1,500世帯、5、000名が住んでいるが、この地区に「いしぶみの会」という同人誌がある。こんな狭い地域で同人誌のクラブがあるというのは驚きである。

 この会を主宰されている鈴木敏正さんから、自分史をお借りした。

 まだ読みだしたばかりだが、最近の若い作家が書く芥川賞、直木賞より遥かに読み応えがある。

 鈴木さんは昭和5年生まれ。幼少時代からのでき事が丹念に描かれている。

 貴重な「昭和史」である。

 私が生まれた昭和17年ころをめくると、鈴木さんはこんな事を書かれている。

 「学校の授業も、体育は軍事教練や武道となり、音楽や図工の時間は殆ど出征軍人の家庭へ勤労奉仕と称して農作業の手伝いに振り返られたものであった。嬉かった事は工作にグライダーの模型や、模型飛行機と称してゴムでプロペラを回すものが教材で扱われるようになり、少年航空兵に憧れていた私は誰よりも熱心に作った。私の作ったグライダーは全校の大会で、先生の作った模範機を尻目に一番長い距離を悠々と飛んだものである。図画など授業としてはほとんどなかったが、戦死されたご家庭から借りた<靖国の絵巻>に載っている南画伯や樺島画伯の海空戦の絵を手本に、夜遅くまで胸躍らせながら描きまくった・・・」


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