2025年2月28日金曜日

映画「山椒太夫」、今も続く人さらいの人間社会

 
1954年に公開された溝口健二監督作品「山椒太夫」を観て感動した。この映画ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞するなど海外でも高く評価されたという。(原作・森 鴎外)
1954年といえば私が12才の時の映画である。多分、私も中学校時代観ているはずである。「山椒太夫」というより「安寿と厨子王」としての印象が強い。「母と一緒に安寿と厨子王は浜辺で人さらいに会い、母と生別れる」浜辺で「安寿恋しや、ほうやれほ、厨子王恋しや、ほうれやほ」と杖にすがる母親の姿が痛々しい。(写真)溝口監督は平安時代の日本の自然、世情を忠実に再現。人さらいに会った安寿と厨子王は山椒太夫の荘園で過酷な労働を強いられる。逃げようとすると赤く焼けた火箸で肌を焼かれる。
映画を観て、平和な時代に生まれて良かったと痛感する。しかし、この人さらい、今でも続いている。北朝鮮に拉致された日本人。彼らはかの国でどんな生活をしてるのだろう。彼らの親族は日夜、日本海を眺めて嗚咽しているのである。
最近ではミャンマーの詐欺集団がSNSで日本の若者を勧誘し、逃亡しようとすると電気ショック等の拷問をしているという。拉致した若者が住む鉄格子の入ったアパート群を見ると、慄然としてしまうのである。
かと思うと、大国のトップが国際ルールや法を無視した行動を平気でとるようになった。
平穏な生活を続けていくためには、真面目に働き、ウマい話には乗らないよう心がけなくてはならない。
 
 

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