2023年10月8日日曜日

さあ~さあ~お立合い!「ガマの油売り」

 
5日(木)わが町の老人会「刈谷シニアクラブ」の特別講座ということで、筑波山に伝わる「ガマの油売り口上」が演じられた。演じたのは保存会の有志。スラリとした長身で誠に格好いい!
「さあ~さあ~お立合い!ご用とお急ぎでなかったら、ゆっくりと聞いておいで。遠目山越えは笠の内、聞かざる時は物の出方・善悪・黒白がトーンと分からない」。
江戸末期に始まったこのパフォーマンスは、筑波山の名物となり、つくば市の無形文化財に指定されている。そもそも「ガマの油」が使われ始めたのは戦国時代、筑波山中禅寺の住職が大阪冬の陣、夏の陣に従軍。負傷した兵士に塗ったところ、血がすぐに止まり、痛みが治ったとか。地元に帰った兵士がその話を伝え、全国に広まった。それから百年以上の後、筑波山の農民の子、永井兵助がガマの油を江戸で売ろうとガマ石に座り一週間考えて口上を思いつき江戸で販売すると大成功。大金持ちになったという。
明治、大正、昭和になって、筑波山の商店街や旅館の町おこしとして「ガマの油売り」は大々的にPRされるようになった。筑波山ガマ口上保存会が受け継ぐのは「正調筑波山がま油売り口上」といわれるもの。1769年初代永井兵助から代々「名人」が任命され、現在は20代目だという。保存会ができたのは19年前、全国に120人の会員がいるという。
「一枚が二枚、二枚が四枚・・・」と紙を刀で切り、切った紙を紙吹雪にして飛ばす。最後に刀で腕を切ると、真っ赤な血がふきでる。傷口にガマの油を塗るとアーラ不思議。真っ赤な血は消え、傷口も消えている。
「さあ~て、お立合い、買った、買った。本来であれば一貝、二百文でありますが、男は度胸で女は愛嬌、坊さんお経で、山じゃ、鶯ホウホケキョウ、筑波山の天辺から真逆様にドカンと飛び降りたと思って半額の百文だよ!」


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