2022年7月17日日曜日

カリスマ経営者・稲盛和夫と”六波羅蜜”


  京セラの創業者、稲盛和夫について、今までその著書を読んだことがなかった。読んでみた、読んで良かった。
 稲盛和夫(いなもりかずお)は1932年、鹿児島生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年京都セラミックス株式会社(現、京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年から名誉会長。これだけでも立派なカリスマ経営者なのだが、84年に第二電電(現KDDI)を創業、2010に日本航空(JAL)会長に就任し、同社を再生する。
 稲盛はいう、企業には見える部分(財務、技術、人材等)と見えざる部分(トップの信念、人生観、社風)がある。稲盛は見えざる部分を重視した。
 人生の目的とは「心を高める」ことだという、「心を純化する」「心を浄化する」。波瀾万丈の人生で、さまざまな現象に遭遇し対処しながら、人間性を高め、自分自身の魂を磨いていく、これが人生の目的だという。
 事業活動において自分の利益を追求することを先行させ、余りがあれば他人に分けるという考え方が普通だが、そうであってはならない。相手の人を助け、施しをしてあげることによって事業も成功する。
 稲盛は悟りを開くためにはお釈迦様が説かれた「六波羅蜜」(ろくはらみつ)を理解することだという。布施、持戒、精進、忍辱、禅定、この五つのことをしていくと、六つ目に宇宙の「知恵」に至るという。
 このことを、社員(JALのエリート社員も含む)、外人経営者にも理解させ、自分の分身として事業に当たらせた。これが60年にわたる常勝経営の真髄だった。
 ここで、ふと、プーチンを思いだす。自己の利益第一。そのためには、他人、社会はどうなっても良い……。気分が悪くなる。

1 件のコメント:

  1. お疲れさまです!相変わらずの興味心の固まりで知識が広く勉強家!何時も新鮮な情報ありがとう御座います!

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