2022年6月4日土曜日

80才の手習い/白金台のセレブと工学博士・余話


 どだい、秋田生まれ、農林高校卒業の私が白金台に住む工学博士を尋ねるなどという話は奇想天外である。これは、TDKが急成長した背景にある人材の多様性と、小生が”ご縁”を大切にしてきたことによると推察する。
 岡本明さん宅を訪ずれた時、仲介してくれた西宮さんから「武井武と独創の群像」という本を紹介された。フェライトを発明した武井武に関する本である。本文2段組、670頁の大作である。やっと半分近く読み終えた。
 本多光太郎(KS鋼発明)、茅誠司(物理学者、東大総長)等、著名人の名前がドンドンでてくる。フェライトの研究は欧米でも行われており、ネール(仏)が関連の研究でノーベル物理学賞を受賞したとある。つまり、武井のフェライトの発明はノーベル賞ものだったのである。

国内外の資料を徹底的に調べ、素人でも面白く読めるように書いた松尾博志の才能とド根性に圧倒される。
 
 お陰で私も科学(物理、化学、電気)の世界と科学者の人間像を柿間みることができた。80の手習いである。
 
 気分転換に31日つくば市にある音楽喫茶「ジークレフ」を訪れる。(写真)店主は「TDKオリジナルコンサート」で放送されたモーツアルトの交響曲第29番(ベーム指揮・ウィーン

フィル)を愛聴していると聞いていたので、同CDの私家盤(定年記念に制作)を持参。それを再生すると、「えっ!2皮も3皮も剥けたよう!」店主が驚く。私家盤の方が店主愛聴の市販品より生々しい(自然)のである。マスターテープは同じなので、原因はマスタリング(音の調整)にあるようだ。今はデジタル社会。音でも写真でも簡単に加工できる。が、加工によって失われる情報もある。加工の難しさを感じた一時だった。


1 件のコメント:

  1. これで繋がるのかな?相変わらずアクティブな行動力で素晴らしい!

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