2022年5月21日土曜日

白金台のセレブと工学博士(序)

 

4月26日、西宮聡彦さんからメールをいただいた。
「80歳おめでとうございます。小生の父を見ていると80歳を超えてから本の編集作業、万葉集に関する著作、など元気になったような気がします。92歳ころまでゴルフを定期的にしておりました。現在102歳。歩行器使用ですが、元気で歩いております」
心温まるメールである。本題はそれからだった。
「岡本明さんご存知でしょうか。岡本さんは現在75歳で小生の先輩。岡本さんは慶応理工学部大学院出身で工学博士。ステレオ時代のTDK特集を紹介したところ、畠山さんとお話したいとのことでした。昔のTDKのことを知りたいなら、テープは畠山さん、電子部品(フェライト)は岡本さんと思っております。アレンジします」
 80歳になり、残されたことは「思い出を語り伝える」ことだと思っている小生にとって願ってもない申し出だった。
 岡本さんのお住まいは白金台だという。一般的に高級住宅地というと「田園調布」というイメージであるが、白金台は都心の一等地。別格である。こんな機会でもないと白金台に行く機会はない。

 5月17日、東京へ。白金台に向かう前に東銀座の「ジュリエ」に寄る。この店でNさんと定期的に会っていたのだが、Nさんは3月に亡くなった。マスターにそのことを伝えると「最近お見えならなかったので……」と絶句。

 約束の11:45分、岡本さんお住まいのマンションに到着。その建物の風格に驚く。玄関の中に足を踏み入れると、都心とは思えない静寂観が漂う。マンションというより邸宅という感じである。


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