2022年4月25日月曜日

「ステレオ時代」澤村編集長、感謝の集い!


「ステレオ時代」20号の”TDK特集”は本当に凄かった!
カラー32頁の大特集だった。見出しが凄い「TDKはこうして世界一になった」。TDKで広報を担当していた小生としては願ってもないものだった。会社を定年退職して20年、過去にこだわる私も私だが、「カセットテープ」を雑誌のネタする「ステレオ時代」の編集長もユニークである。同誌はメーカーの広告は掲載しない、オーディオ評論家は起用しない。つまり、編集長が好きなように創っている。その姿勢を支持している固定読者が1万名近くいる。その読者で「ステレオ時代」は成り立っている。

TDKは現在、電子部品の専門メーカーである。年間売上1兆8千億である。今回のような大特集であれば、協賛支援があっても良さそうだが一切無。支援の要請もしない。
 ただ、吉野さんが、TDKの石黒会長に「ステレオ時代」の澤村編集長をお迎えして感謝の集いを行う(4月18日)という話をしたところ以下のメッセージをいただいた。
「TDK80余年の歴史の中で磁気テープ事業を手掛けたことは、今日のTDKを形作る骨格を作った重要なブレークスルーだったと思います。それがTDKを他の電子部品メーカーとは異なるダイナミックなカルチャーを持った会社にしている理由だと思います。今回の大特集は歴史の証人自らが語る貴重なものだと思います」石黒会長、ありがとうございます。(写真、左から商品企画の吉野宏さん、同畠山俊三、ゲスト・澤村信編集長、広告プロデューサー和泉賢二さん、広報・広告コンセプトワークの内野森一さん)

2022年4月16日土曜日

深夜のパソコン打ち、1ヶ月

 

2月、A社から周年記念史の出版について相談があった。
知り合いの出版社B社を紹介した。「是非、やらせて下さい」。打合せには社長自ら参加。執筆もお願いしたところ、専属のライターがいます。さすが一流出版社である。見積はかなり高額だったが、A社は「記念出版でもあり結構です」と了解。B社には「いいお客さんをご紹介いただきありがとうございます」とお礼をいわれた。
ところがドッコイ、3月になって「申し訳けございません。当社では対応できません」とB社が断ってきた。理由は記念史の内容に裁判中の事項があることだった。当初はその件も含めて「お任せ下さい」だったのである。仲介した私の立場はなくなった。
 A社に対し「私で良ければ私が書きます」と申し出てみた。お詫びの気持ちもあった。意外にも「お願いします」との返事。「御社にも優秀な書き手がいらっしゃるじゃないですか」と言ってみたが、B社の意向は変わらない。どうも本気のようだ。帰りに厚さ7センチもある裁判のファィルを渡された。(写真・上)
 それから1ヶ月、連日パソコン打ち。深夜小用で目が覚めた時も2時間くらいパソコンに向った。昨日、最終章第8章のパソコン打ち終了。

 重圧から解放された私は気分転換をしたくなった。雨の中、車で霞ヶ浦湖畔にあるジャズ喫茶「ノーチラスカフェ」に向かう。伝説の録音エンジニア行方洋一先生行きつけのカフェである。山本店長が煎れる美味しいコーヒーを頂きながらしばし時間を過ごす。(写真はカフェのカウンターで)
 ところで、1ヶ月かけた原稿、A社のお気に召すのだろうか。ダメだったらプロの筆者を捜そう。帰りの車でそう思った。私は1ヶ月十分楽しませてもらった。

2022年4月11日月曜日

プーチンの大誤算/上田先輩の「日本千思万考」


 時々、上田和男(こうだかずお)先輩から「日本千思万考」が送信されてくる。
日本のマスコミで報じられてないことも書かれている。
今回は「ロシアのウクライナ侵攻は世界秩序を変えるだった」。以下はその一部である。

「プーチンの目算が狂ったのは、クリミヤの屈辱感を跳ね返そうと、この8年間にわたり、用意周到に国防意識を高めて来たゼレンスキー新政府とウクライナ国民の反撃だったと見られます。特にウクライナの強みは、ITエンジニアを統括する31才の副首相が米のGAFAから学習した、ハイブリット戦に応じるSTEM力で、露軍の通信傍受に成功したこと、テレビ制作会社経験者の大統領の生出演と脚本家大統領夫人らによる国際社会へ向けたネット広報戦をリードして、広く世界の理解と同情を獲得すること、などで、抵抗戦を持続しているのです」
「プーチンの大誤算は、ウクライナ国民の確固たる反ロシアで一致団結を形成した愛国、愛郷心が、世界に強く印象付けられたことでした。音楽を愛するウクライナの人々が、戦火をものともせずに、楽器を鳴らし、国歌「ウクライナは滅びず」を歌い上げる感動的なシーンは、人間性の荘厳さと、栄光も自由も減じず、との誇りで、人々の心をつなぐ力があり、世界への訴求力があります。肥沃な大地が生み出す農産物と、製鉄、造船等の重工業を活かす豊富な電力を生み出す原子力エがエネルギーの5割強を生み出す原発大国ぶり(15基保有、稼働し、今般の国際法違反のロシア軍の原子炉攻撃を受けても、代替電源による稼働等で、大停電を回避した安全確保の技術力は、チェルノブイリの廃炉と復旧に成功し、その近場にニュータウン建設にも成功した安全確保への自信を持つ)からして、ぜひ長期戦を耐え抜き、伝統文化を復旧して平和な日々を取り戻すことを切に念じる次第です」
(写真はウクライナ、31才の副首相ミハイル・フェドロフ氏)


2022年4月10日日曜日

山田洋次監督「東京家族」


 昨夜は妻と一緒に楽しめるようなテレビ番組がなかった。
留守録一覧を見たら、最後の方に「東京家族」があった。
妻が「前、観たじゃない」と言うかと思ったら、身を乗り出したので、最後まで一緒に楽しんだ。
二人とも高齢になり、記憶が薄れる年代である。昔の名作が何度も楽しめるのは高齢ならではのメリットかもしれない。
ストーリーは瀬戸内海の田舎からでてきた老夫婦が東京に住む息子(西村雅彦)、娘(中嶋朋子)家族や友人を訪ねるというもの。
老夫婦役を演じる橋爪功と吉行和子がいい。
老夫婦が東京へ着くと、タクシーに乗って、息子の家へ。そこを右、そこを左というと、運転手が「大丈夫、ナビを入れましたから」
そういえば、お義父さん、家へくる時、近所まできて迷ったことあったわね。と妻。40年も前の話である。父はわが家に毎年のようにきてくれた。父も嬉しかったと思うが、私にとっても胸が熱くなる思い出である。
橋爪は東京で羽振りのいい生活しているという友人(小林稔侍)と会う。友人はいつも「東京へきたら家に寄ってくれ」と言った。実は羽振りがいいというのは見栄であり、居酒屋で会うことになる。禁酒している橋爪だっが「これが最後の酒になるかもしれない」という小林に勧められ橋爪は盃を差しだし酔い潰れてしまう。
 息子、娘家族はそれぞれ忙しく、慌ただしい旅行になったが、救いは次男(妻夫木聰)の
恋人(蒼井優)に会えたことだった。
 吉行は心配だった次男に恋人がいたこと知り、心満たされる。が、その夜、倒れ翌日急逝。島での葬式の後、慌ただしく帰る長男、長女家族。その後も蒼井は橋爪の世話をする。それまで無口だった橋爪は蒼井に「次男をよろしく」と頭を下げ、吉行の形見である時計を蒼井に渡す。
 映画を見ながら、何度か落涙。妻を気にしながらハンカチで拭いた。

「東京家族」は2013年制作。1953年制作「東京物語」(小津安二郎監督)のリメーク作である。

 


2022年4月3日日曜日

上野桜満開。音楽芸術「ワーグナー」の毒


 4月2日(土曜日)午後、東京にでかけた。
上野・東京文化会館で午後3時~東京春音楽祭。ワーグナーの歌劇「ローエングリン」(演奏会形式/字幕付)が上演される。
2時、上野着。文化会館は上野公園に接している。公園は桜が満開。人の多いのに驚いた。(写真)
ワーグナーのオペラを聴くのは何年ぶりだろう。ひょっとすると、1967年、大阪でバイロイト音楽祭を聴いた時以来かもしれない。(弟と一緒だった)ということは55年ぶりである。今回も席は違うが弟と一緒だった。

「ローエングリン」ってどんなオペラだったかな?第1幕、第3幕の前奏曲、結婚行進曲は有名だが、全体のストーリーは記憶にない。たまたまDVDを探したらあったので観てみた。(写真)やあ、素晴らしい。感動しましたね。
東京文化会館。ロビーは観客で華やいでいる。著名な音楽評論家等もいるはずだが、全員マスクをしているので分からない。
客席について気がついたことがある。男性も女性も一人の方が多い。コンサートや芝居というと、夫婦連れとか、友達とか、というのが多いじゃないですか。どうしてだろう。なにしろワーグナーは長い。プッチー二やヴェルディと比べると、有名なアリアは少ない。仮に妻をワーグナーに誘ったとしよう。多分「大金を払ってなんで、こんな退屈なコンサートに誘ったのよ」ということになる。ワーグナーは本当に好きな人でないと誘ってはいけないオペラなのである。
 そのかわり、ワーグナーの毒にハマった人はワーグナーを聴くことによって別世界を味わうことができる。
 開演は午後3時、終演は午後7時30分。夢のような4時間30分でした。
 指揮者のマレク・ヤノフスキ、長時間立ったまま指揮。今年83才。そうそう、気がついた事、字幕が読めない。乱視が進んでいました。休憩時間、ビールを一杯と思ったがレストランは閉まっており、自動販売機は長蛇の列。コロナ下、止むを得ませんね。