2019年2月27日水曜日

フランス料理はいかがですか?

 
小生、NPO法人・龍ヶ崎ゲヴァントハウスの理事を務めている。
といってもこの法人、年間予算30万円弱。役員は全員無報酬。というか持ち出しが多い。「クラシック音楽愛好家が集い、クラシック音楽の普及に奉仕しよう」というボランティア団体なのである。
 この団体、年2~3回、東京から音楽評論家、オーディオ評論家等をお招きして講演会を開く。終わってから先生を囲んでの夕食会が恒例になっている。
 今までは、龍ヶ崎市内の日本食レストランを会場にしていたが、事務方から「フランスレストランいかがですか?」という提案があった。「え、龍ヶ崎にフランスレストランなんてあるの?」
 26日、紹介されたレストランの下見に行った。
店の名前は「ビストロシェキムラ時彩(じさい)」ホーム頁を見ると「安心できる旬な食材で、自家製にこだわり、本格的な料理をリーズナブルに楽しんでもらいたい」とある。
 ビストロというのは大衆食堂という意味だそうだが、店の構えからして、ファミリーレストランより格上。テーブルに案内され、厳選したであろう、調度品、食器類が目をひいた。オードブルを見て、その鮮やかさに目を奪われた。3割ほど食べ始めて写真に収めた。(写真)
 フランス料理は中華料理、トルコ料理と並び、世界3大料理の一つだという。
 年金生活。外食というと、そば屋とファミリーレストラン、居酒屋しか行かない自分にとってナイフとフォークの食事は肩が凝るが、クラシック音楽は欧米が本場。音楽の本質に迫るためにも、たまにはナイフとフォークを使わないと・・・。

2019年2月23日土曜日

海外メーカーに身売りした、有名ブランドOBの嘆き

22日(金)は盛沢山のスケジュールだった。

 8:30~グランドゴルフを楽しむ。久しぶりにホールインワンが2発でて。スコア70。このスコアが大会ででれば、上位入賞間違いなし。ただ、そうはいかないのがグランドゴルフである。
 14:00~野村証券つくば支店セミナー。本社からアナリストがきて、今後の世界経済、投資環境について解説。実に明快だった。ただ、これもグランドゴルフのスコアと同じで先のことはわからない。いずれにしろ、自己責任である。


 18:30~代々木上原で「千代田会」この会、ハイエンドオーディオ関係者の集まり。オーディオ評論家、出版社、メーカーの有志が集う。 私が現役の頃、オーディオメーカーといえばパイオニア、山水、トリオのご三家に加え、ティアック、中道、デンオン、オンキョー等が隆盛を極めていた。しかし現在残っているのは一部のハイエンドメーカーだけである。参加者の半分がOB。
ある名門メーカーOBの嘆き節が心に響いた。最近の経営者は短期指向で数字優先。創業者の気持がわかっていない。ブランドに対する愛着がない。直ぐに海外企業に身売りしてしまう。身売りに伴う株主説明会は3時間に及び、代理店だった株主から「株はひきとってもらわなくてもいい。ブランドを残してくれ」という悲痛な声が上がったという。得意のカーナビ分野に大手自動車メーカー自ら参入してきたのも大きかったという。
 テープメーカーもTDK、マクセル、ソニー、フジ等有名ブランドが名を連ねていたが、会の参加者は私一人になってしまった。
 
 ハイエンドオーディオは無くなることはない。世界に目を向ければさらに展望が開ける。日本の職人芸はオーデイオの世界でも輝き続ける。(写真・上)ハイエンドオーディオの守護神、藤岡誠先生(右)(写真・下)居酒屋で食した海ぶどう。初体験。美味しかった。
 

2019年2月15日金曜日

衝撃のコンサート!クルレンツィス指揮/ムジカエテルナ(ロシア、ペルミ国立オペラ・バレエのオーケストラ)

3連休の最後11日(月)上京。生憎の雪である。
9時、渋谷で乙黒さんにお目にかかる。乙黒正昭さん82才。現在、日本の巨匠、外山雄三(86才)が指揮する大阪交響楽団のレコーディングに携わっている。「運命」「未完成」「新世界」といった古今の名曲の楽譜を再点検して、巨匠の記念碑になる録音をしたいという。乙黒さんは元ポリドールのエンジニア。伝統のグラモフォンサウンドで蘇る名曲が楽しみである。
 1時、錦糸町トリフォニーホールの隣にある東武ホテルで音楽評論家、東条碩夫先生にお目にかかる。東条先生、年間230回以上のコンサートに足を運ばれているという。80近いというのに、なんという若々しさ。音楽が先生の生命源になっているのだろう。
 3時からトリフォニーホールでクルレンツィス指揮/ムジカエテルナのコンサート。昨年、同コンビのチャイコフスキー「悲愴交響曲」がアカデミー賞受賞。CDを聴いて血が逆流するような衝撃を受けた。同コンビの来日を知り、弟に頼んで切符をとって貰った。
 まず、前半のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲に驚いた。まるで、ヴァイオリンとオーケストラの格闘技である。後半のチャイコフスキーの交響曲第4番は第1、第2ヴァイオリン奏者が全員起立しての演奏。ただ、CDで聴いた「悲愴」のような衝撃はなかった。しかし、アンコールの幻想序曲「ロミオとジュリエット」が凄かった。クラシック音楽のコンサートには珍しく、観客総立ちで拍手。同コンビはアンコールをシンフォニーの第5楽章に位置付けていたのではないだろうか・・・?
 このコンビの登場により、世界のクラシック音楽業界は変貌するのではないか?実に衝撃的なコンサートだった。

2019年2月6日水曜日

蘇る「TDKオリジナルコンサート」CD

夕べ荷物が届いた。
なんだろうと思った。送り主はキングインターナショナル。
開けてみると、1972年、虎ノ門ホールで行われたチェロの名手、ピエール・フルニエのCDである。曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲全曲。もう一枚は1983年、日本都市センターホールで行われた女流ヴァイオリニスト、ローラ・ボベスコのCDである。
 両方とも私が現役の頃、FM東京で放送された「TDKオリジナルコンサート」の放送音源をCD化したものである。
 「TDKオリジナルコンサート」のCD化は2000年、定年直前(2002年定年)、キングインターナショナルの協力を得て実現した。第1回リリース作品がフルニエだった。地味な内容だったのに初回オーダーが2,000枚。予想を上回った。
 夕べおくられてきたCDはヴァージョンアップ版である。初回と比較すると音も改良され(よりアナログ風)、奏者の息遣いまで聴こえる。
 初回盤と違って、フルニエ盤には山﨑浩太郎さん、ボベスコにはピアノ伴奏を担当した岩崎淑さんのインタヴューと佐藤康則さんの解説が掲載されている。
 新盤のフルニエは、実に味わい深い。アレアレ、と思ったのはボベスコである。聴いていてハラハラする。技術的に問題がありすぎる。ボベスコの魅力とはなんだろう。それを知るためには岩崎淑さんのインタヴューと、佐藤康則さんの解説を綿密に読む必要がある。
 私はボベスコ聴いて、演奏する作品を忘れ、彼女の今まで生きてきた物語を聞いているように感じた。その物語は切なく哀愁を帯びたものである。

(個人的なことだが、制作スタッフの中に小生の名前が入っていた。その義理堅さに感謝)