2019年1月20日日曜日
先生!膀胱のあたりが痛いんです。
前から頻尿だった。夜、5~6回、小用に立つ。定期検診では異常なし。頻尿でも夜はグッスリ寝れるし、問題はない。ただ、2~3ヶ月前から時々、膀胱の左付近がヒリヒリする。
1月9日、新年グランドゴルフ大会。この時ヒリヒリだった部分に鈍痛を感じた。さらに左足が思うように運べない。これはマズイ。12日、図書館に行く。新刊コーナーを見たら「前立腺歌日記」という本が目に入った。前立腺手術の手記である。実に生ナマしい。前立腺は医師が患者の肛門に手を差し込み触診するという。
私は生まれてから大病をしたことがない。手術の経験もない。今回の痛みがガンだったりしたらどうしよう。3月には77才の喜寿を迎えるので人生に悔いはない。苦しくなければいつ逝ってもよい。しかし待てよ、来週は出版社の社長にお目にかかる、来月は音楽評論家にお目にかかる約束がある。まだ、社会のお役に立てる・・・。その前に倒れるわけにいかない。なによりも母(101才)より先に逝くわけにいかない。
15日、セントラル病院の泌尿器科に行く。「初診です」と受付に行くと「3年前にいらしてますね。その時の先生が今日の担当です」3年前に病院にきたことなどスッカリ忘れていた。下半身以上にテッペンの退化が進んでいる。
入念な腹部の超音波検査と尿検査。先生の見立て。「前立腺も大丈夫です。薬をだしますから、それを服用して下さい。2ヶ月先またいらして下さい」良かった!いただいた薬は「ユリーフ」。″薬のはたらき″欄にはこう書かれている。「前立腺肥大症によって生じる排尿障害を治す薬です」。
ところで、「前立腺歌日記」。実に面白い。手術後「勃つのか勃たないのか」「あの瞬間だけのために、男たちはなんべんでも、恋をする」・・・。作者の四元氏は家族持ち。奥様もお嬢様もいらっしゃる。良くここまで赤裸々に描くわと脱帽!手術した場所がドイツ。医師はドイツ人だが、スタッフは黒人などの移民。海外の医療業界事情も手にとるようにわかる。
病室から眺める人間模様、スマホ時代の入院生活も実感できる。
悲壮な入院生活を美しい文章がかばう。
四元康祐(よつもと・やすひろ)1959年大阪府生まれ。82年上智大学文学部英文科卒業。81年アメリカに移住。90年ペンシルベニア大学経営学修士号取得。94年ドイツ移住。 講談社。
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