1月1日 日本経済新聞と読売新聞をみる。年末、株が2万円を切った。が、経営者の景気見通しは概ね堅調。証券市場は中国とアメリカの覇権争いに過度に反応しているようである。いずれにしろ、国も個人も喧嘩両損である。
私が最もインパクトを受けた記事は読売新聞文化欄に載った「指揮者 小澤征爾さんが語る」である。まず、小澤の顔写真(松田賢一撮影)が凄い。小澤83才、昨年は大動脈弁狭窄症などで、舞台の降板が続いた。写真からは「まだやり残した事がある!」という必死の形相が読みとれる。
個人的に、私は小澤を巨匠とは思っていなかった。ベートーヴェンでもブラームスでもやはり、欧米の指揮者が一枚上手だと感じる。しかし、この写真をみて、小澤は巨匠の域に達したと感じた。彼の師であるカラヤン、バーンスタインと並ぶ境地に達したと思う。小澤が指揮台に上がっただけで、腕が動かなくても、眼光によってオーケストラは一丸となり、最高のモーツアルト、ベートーヴェン、ブラームスが鳴り響く。という確信を持った。
岩手の歌人、伊藤幸子さんから年賀状をいただいた。
「終戦の年に生まれて、平成の終わりを迎えました。昨秋、戦なき世の七十二年に感謝して、神宮の森を歩きました。」にはじまる印刷文に添え書きがあった。「長男が春から東北工業大の教授に就任することになり喜んでいます。(48歳、工学博士)週一、一千字の拙コラムは六百回を超えました。」
幸子さんは16才の時、死んだ父を乗せてリヤカーを曳いた。平成8年同じ道を母のなきがらにつきそって病院の寝台車に載った。平成10年、夫に先立たれた。
ご主人は高校時代の友人。稀にみる秀才。新聞部の部長だった。
(孫6人は1日来宅。初詣は4日、常陸国出雲大社へ)
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