2018年3月16日金曜日

日本最古の和歌集「万葉集」(上)

 
老若男女を問わず、俳句や短歌を楽しむ方が多い。
そこで、もう一度、日本最古の和歌集「万葉集」を味わってみたい。といっても小生、文学の素人。2011年、文芸社から出版された西宮正泰著「万葉集探訪」に書かれたものを要約しながら「万葉集」の真髄の一端に触れてみたい。

 ●春過ぎて 夏来(きた)るらし 白栲(しろたえ)の 衣乾したり 天(あま)の香具山
<大意>春も終わり、夏がやって来たに違いない。真っ白な衣が干してある。天の香具山には。
 ●東(ひむがし)の 野に炎(かぎろひ)の 立つ見えて かえりみすれば 月傾きぬ。
<大意>東の野に陽炎(かげろう)の立つのが見えて、振り返ってみると、下弦の月が西の空に傾いている。
 ●田児(たご)の浦ゆ うち出(い)でてみれば 真白にそ 不尽(ふじ)の高嶺に 雪は降りける
<大意>田子の浦沿いの道を通って、視界が開けた所にでてみると、富士山の高嶺に真白な雪が降り積もっている。

 万葉とは時代は飛鳥時代と奈良時代の大部分をいう。「万葉集」に収められている最後の歌は、大伴家持の歌で天平宝字3年(759年)の作であり、その頃編集されたと考えられている。1,250年前である。万葉集は全20巻、4、516首からなり、作者は天皇から庶民まで。日本文学史上、永遠に光を放つ最高の文化遺産だと西宮氏は言う。
 
 当時は電車も車もパソコンもなかった。人々を慰め、発奮させたのは四季に恵まれた美しい日本の自然だった。日本の自然はなんと豊かで雄大なのだろう・・・。

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