2015年9月20日日曜日

オーディオ界のドン、藤岡先生に乾杯!


 私がTDKでカセットテープ開発の担当になったのは40年前の事である。
開発中のカセットテープが出来あがると、開発技術者と一緒にオーディオ評論家のご自宅にうかがい、試聴していただきご指導を仰いだ。

 当時、カセットテープ関連のオーディオ評論家というと、長岡鉄男、菅野沖彦、若林駿介が業界をリードされていた。当時、若手評論家の一人として登場されたのが、藤岡誠先生である。まだ、大学を卒業されたばかりだった。
 藤岡先生のお住まいは代々木上原の高級住宅街。秋田の農家出身の自分は足がすくむ思いだった。ただ、先生はいつもフランクに幅広い観点から指導して下さった。藤岡先生にはTDKのカセット工場である長野の千曲川工場、ビデオの専門工場だった大分の三隈川工場にもお出でいただきご指導していただいた。
 私が商品企画時代、TDKが世界一のテープメーカーになり、世界陸上等のイベントができるようになったのも藤岡先生はじめ諸先生のお蔭である。

 私は13年前、TDKを定年退職し、TDKもテープ事業から撤退したが、私と藤岡先生とお付き合いはまだ続いている。
 9月18日、先生が主催されている「千代田会」にお招きいただいた。先生は茶目っけタップリに私との写真に収まった。

 現在、オーディオ機器はゼネラル化し、マニア向けのオーディオ業界は波乱の時代を迎えている。その中にあって、藤岡先生は業界のドンとしてオーディオ文化を追及し続けている。それはお酒の文化と共通するところがあるのかも知れない。藤岡先生はそんな幅広い発想ができるオーディオ文化人である。


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