2015年4月25日土曜日

音楽写真家 木之下晃 お別れの会


 カラヤン、バーンスタイン、小澤征爾等、世界の音楽界の巨匠達の写真を撮り続けて来た木之下晃(2006年、紺綬褒章)が今年の1月12日逝った。死因は虚血性心不全。享年78歳だった。
 
 小澤征爾、田沼武能(日本写真家協会長、文化功労者)等が発起人になり、「木之下晃 お別れの会」が昨日(24日)サントリーホールで行なわれた。光栄にも小生も案内をいただいた。お嬢様が木之下氏の年賀状を整理したら、小生の賀状があったので案内したとのことだった。何年ぶりかにネクタイをし、革靴を履いてでかけた。
 会場には著名な音楽家、評論家、写真家が詰めかけていた。日本を代表するピアニスト小山実稚恵がピアノ演奏を献呈した。真近(前から3列目)で聴くピアノの名演奏に圧倒された。木之下はいつも演奏家と対峙して"弓矢を放つようにシャッターを切った”と語っている。特に指揮者の場合、音がでる前に指揮棒を振り下ろす。音楽を理解し、指揮者と一体にならなければならない。木之下の写真から音楽が聴こえる由縁である。(写真、左が小澤征爾、右はカラヤン)

 私の勤務していたTDKと木之下さんとの出会いは1978年、37年前である。カセットテープの広告に使用する写真撮影を木之下さんにおい願した。私は商品企画だったが、コピーライターの内野森一とデザイン担当の和泉賢二が木之下さんのウィーン取材旅行を担当した。当時のTDKは広告宣伝費が豊富だった。泊まるホテルは一流、ドイツ語の通訳つきだった。当時博報堂を退職し、フリーカメラマンとして苦労していた木之下さんは好環境のもとで伸びのびと仕事をされたと内野と和泉は語る。
 TDKは「FMファン」「週刊FM」「FMレコパル」の3誌に木之下さんが撮影したヨーロッパのオペラ劇場、モーツアルト、ベートーヴェン博物館等の写真を使用した広告(カラー見開き)を連載。TDKカセットテープはハイ・イメージ戦略が効を奏しトップブランドになる。TDKが今日あるのも木之下さんのお蔭である。

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