2013年10月13日日曜日

90才、世界最高齢指揮者の名演!

 

 11日、町内の吉野さんから電話をいただいた。「明日のコンサートのチケット2枚ありますが行きませんか」という内容だった。吉野さんご自身は当日ゴルフの予定が入り、そちらへ行かれるとのこと。音楽好きの横浜在住、吉原さんに電話したところ、是非とのことだった。12日、サントリーホールにでかけた。
 ホール入口で音楽評論家・東条碩夫先生にお目にかかる。でがけに先生のブログを見た私は「先生、ニューヨークだったんじゃないですか?」「夕べ帰ってきたんです」とのこと。(ブログには9日のメトロポリタン歌劇場のリポートが掲載されていた)東条先生、安倍総理並み。欧米を股にかけてお忙しい。我々の座席は二階正面、1列目。後ろをみると、前日銀総裁・白川さんがいらっしゃる。

 今日の出し物であるが、スクロヴァチェフスキー指揮・読売日本交響楽団によるブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」。スクロヴァチェフスキーは1923年10月3日ポーランド生まれ。来日中に90才を迎えた世界最高齢の名指揮者である。
 この演奏が素晴らしかった。高齢になると音楽そのものが円熟した味になるのだが、スクロヴァのブルックナーは新鮮で活き活きしている。ブルックナーについてはバーンスタイン、マタチッチ、朝比奈隆といった定評のあるブルックナーを聴いてきた。それらはいずれも重厚でうねるような演奏だったが、スクロヴァのブルックナーは透明感があり、色彩豊か、メリハリがある。定評ある三者のブルックナーをアナログサウンド、スクロヴァはデジタルサウンドといってもよいかもしれない。スクロヴァは若い時フランスで学び、その後アメリカで活躍した。そういったグローバルな活動が彼のブルックナー演奏に反映しているのかもしれない。
 ブルックナーの演奏時間は70分を超える大曲だが、スクロヴァは立ちっぱなしで指揮をした。使命感に溢れた人間は身体も強靭であることを舞台で実証し、会場を興奮のるつぼにした。

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