クライマックスの連発(朝日新聞より転載)
秋田県仙北市で開催される大曲の花火大会は日本一といわれる。過去70万人以上の観覧者が集まったという。その観覧者の多さに恐れをなして今までは行く気がなかった。
だが、今回、中学校の同窓会(古希の祝い)が花火大会の前日(27日)開催され、しかも家内が一度大曲の花火大会が見たいというので出かけることにした。
大曲は秋田の東南中央にあり秋田市、角館、横手、湯沢から50キロ圏内にあるが、これらの市の旅館やホテルは全て満員。奥羽線の湯沢駅から30キロ離れた小安峡温泉に宿をとった。つまり、大曲近郊に車を置くことは不可能なので、湯沢近郊に車を駐車し、湯沢からJR線で大曲まで乗り込むという作戦である。
この作戦は図に当たり、花火が上がる6時30分には花火会場へ到着した。今まで花火大会というと土浦の花火大会を桟敷席でみて感激したが、そのスケールの大きさは段違いである。桟敷席の長さは1,000メートル。その後方の土手と左右に一般観覧席が置かれている。駅から会場に向かう途中の橋の上、空き地、通路、ありとあらゆるところに観覧者が溢れている。
花火も3ヶ所から次から次へと打ち上げられる。
大曲の花火会場は豊かに流れる雄物川をはさんで両側に広大な敷地が広がる。この恵まれた地形に全国の花火師と観客が吸い寄せられ、今日の隆盛に至ったということを実感した。
帰りの混雑を避けるため、8時に退散。大曲駅発9時20分の臨時列車に乗車。車窓から最後のクライマックスの100連発の花火を垣間見ることができた。