ひょっとしたご縁で「越路吹雪」(愛称コーちゃん)のCDを聴くことになった。
その並外れた歌唱力に驚いた。次元が違う。カリスマである。
僕流にカリスマといえば、演歌の「美空ひばり」であるが、「越路吹雪」はシャンソンのカリスマである。
豊かな声量、幅広い音域。どんな曲でも呼吸するように自然に淡々と歌う。それなのに味わい深い。
「サン・トワ・マミー」「ろくでなし」「枯葉」「そして今は」・・・。どれも素晴らしい。そしてなによりも慄然としたのは「人生は過ぎ行く」。この中で”好きよ”というセリフが50回以上もくりかえされるが、そのセリフの可愛さと、セクシーさは単なる歌手ではなく舞台人であった彼女ならのものである。
彼女の歌のバックを支えるのがフルバンドというのも凄い。
越路吹雪。1924年生まれ。1980年胃がんのため死去。満56歳の盛りだった。
日本のシャンソン歌手。宝塚歌劇団の男役スターだった。
1969年からはじまった日生劇場のリサイタルは1980年まで続いた。(53回)
独身時代は三島由紀夫の恋人だったこともあるという。
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