ビゼー作曲、組曲「アルルの女」の決定盤といえばアンドレ・クリュイタンス指揮・パリ音楽院管弦楽団の演奏したものである。フランス物の演奏にかけては他の追随を許さないこのコンビが1964年に1度だけ来日している。
このコンビが来日公演で演奏したベルリオーズの「幻想交響曲」と「ラベル管弦楽曲集」はNHKに放送音源が残っており、CD化されている。ただ、「幻想交響曲」はステレオなのになぜか「ラベル管弦楽曲集」はモノラルである。
その理由は「ラベル管弦楽曲集」についてはNHKにモノラルしか保存されていないということだった。
最近、私が親しくしている竜ヶ崎市(牛久市の隣)の音楽愛好会「ゲバントハウス」が「ラベル管弦楽曲集」の一部をステレオで保存していることがわかった。1964年5月10日NHK・FMで放送されたものをエアチェックしたものだった。
私はこのステレオ音源をNHKに提供するよう提案した。そんなこんなでステレオの曲目が加わった「ラベル管弦楽曲集」のCDがこの度発売された。
このCDの解説書をみると、協力として、竜ヶ崎市・音楽愛好会「ゲバントハウス」の名称が記載されている。ただし、小生の名前まで記載されたのは想定外だった。
いずれにしろ、クリュイタンス・パリ管お得意のラベル管弦楽のステレオがCD化されたのは一音楽ファンとして嬉しい。ステレオによるラベルはパリのエスプリに満ちている。