2022年11月20日日曜日

スマホの中身は7~8割が日本製。140億で買収した会社の売上が1兆円に!

11月4日の読売新聞に”米アップルのスマートフォン「iphone(アイフォーン)」の人気は揺らいでない”いう記事が掲載された。この記事で”分解してみると日本企業存在感”とある。超小型部品「積層セラミックコンデンサー」も大量に搭載され、村田製作所や太陽誘電、TDKが供給しているという。「多くの部品を日本企業が提供しており、部品点数では首位の7~8割に上る」”とある。                          
 最近、半導体産業と並んで電子部品産業が注目されているのにはこのような背景がある。
 TDK・OBとして嬉しかったのは同記事に掲載された図(写真・上)にバッテリーの供給先として、TDKの名前がでていたことである。TDKは現在、年間売上2兆円であるが、その半分の1兆円をバッテリーが占めている。このバッテリーはTDKが買収した中国の子会社アンプレックステクノロジー(ATL)が作っている。
ATLはTDKの6代目社長である澤部肇さんが買収した。同氏の自伝「神田のサンマとニューヨークの青空」(日本経済新聞)によると、澤部さんはこう語っている。「宝くじに当たったようなものだった。振り変えれば、私に電池の知見を与えた斎藤さんの功績であり、レイモンドの功績である。授業料の50億円を入れても投じたお金は140億円ほど、その会社がスマートフォン用の電池で半分近いシェアを握り、ドローン用でもトップを走る。途中分離独立した自動車用電池のCATLは、今や業界で世界最大の会社になっているから驚きだ」
 TDKがATLを買収したのは2005年、それから17年で、年間売上1兆円の会社に成長する。いくら経営勘に秀でた澤部さんでも予測できなかったであろう。”宝くじに当たった”としかいいようがなかったものと思う。


1 件のコメント: