2022年9月10日土曜日

健さんとの「ピュア」な 一時


 もう、47年前の話である、私は磁気テープ事業部に新しく設置された商品企画課の責任者になった。商品企画はマーケティング部門である。お客様がどいう商品を欲しているか調査し、技術部門と一緒になって商品を開発し、でき上った商品をオーディオ評論家や専門誌を通じお客様に伝える。
お客様がカセットテープに求めているのは「良い音」だというのが私の方針だった。そのためには聴感評価が大事だというのが私の考え方だった。料理でいえば「味」である。
私の課に健さんがいた。
彼の耳は抜群だった。健さんは文化系の卒業だが「音」という感性を言葉にして表現し、電磁変換特性に落とし込んで技術者と会話することができた。彼のお陰で、音楽評論家やマニアに高い評価を得る商品を次々に開発することができた、「AD」「SA」「MA-R」がその代表作である。
健さんは佐倉市在住。6日、牛久市との中間にある喫茶店で健さんと会った。(写真・上)

久し振りのカセットテープ談義になった。2人の共通認識は「ノーマルポジション」のカセットが一番いい音がするね。だった。ハイポジションは確かに電磁変換特性は優れているが、レコーダとの相性が難しい。「SA」と「Nakamichi1000」の組合せは抜群で異次元の音がした。メタルポジションになると、優れた特性を引き出そうと試行錯誤している途中でCDRが登場し頓挫してしまった。ノーマルポジションのカセットが一番熟成し、音楽を自然に聞かせてくれるので、誰にでも安心してお勧めできるのである。
健さんから、健さんが開発した「オーデイオコード」をいただいた。銅と銀を素材にしたものだという。(写真・中)

健さんはオーディオが好きで、今も「ピュア」な音を求め続けている。人としても「ピュア」である。6日も「ピュア」な一時だった。
その点、自分はオーデイオについてはいいかげんである。晩酌が祟ったのか、痛風にかかってしまった。(写真・下は痛風と血圧の薬)


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