2021年9月25日土曜日

国立科学博物館(下)巨大!日本最初の電子計算機


 国立科学博物館に収蔵されている作品は470万点、常設展示品は約1万4千点とある。
折角の機会なので、駆け足で常設展示品を覗いた。その中で一番驚いたのは日本最初の電子計算機である。巨大である。タタミ4畳ほどはある。(写真はその一部)
日本で最初に稼働した電子計算機「真空管式計数型電子計算機FUJIC」は富士写真フィルム(株)の岡崎文次氏が作った。同社はカメラ(光機)を作っていた。レンズの設計には6桁の対数表を使用し、レンズの構成を変えながら光路を求める膨大な計算が必要だった。これに対応するため、岡崎は計算の自動化を考えた。開発に7年かかった。完成したのは1952年(昭和31)。これによりレンズの計算速度は人間の2,000倍になったという。使用した真空管は1,700本とある。
FUJICの隣には1960年に日本国用鉄道が開発した日本初のオンラインによる自動発券機が展示されている。当時の駅員さんが行先を書いたステックを差し込む姿が目に浮かんだ。
真空管は管球の中で陰極から陽極に流れる電子流を制御することによって増幅、検波、整流、発振を行うが、1940年代後半、真空管と同じような機能を電子回路で行うトランジスタが実用化される。さらに微細なトランジスタの集合体である集積回路(IC)が登場。真空管はトランジスタに置き換わり、電子計算機は急速に小型化、高性能化が進む。ミリ角のチップに1億個以上のトランジスタが搭載されているケースもあるというから驚く。
今は、計数計算(電卓)だけではなく、メール、音楽、カメラ等、数多くのアプリを搭載したスマホを持ち歩く時代である。
技術の発展を実感する上でも、たまには国立科学博物館に足を運ぼう!


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