2018年4月19日木曜日

「空前の”悲愴”」音楽三兄弟、狂騒曲

 
4月7日(土)、私が理事を務める音楽愛好会「竜ケ崎ゲヴァントハウス」にでかける。開演10分前、会場の扉を開けると、とてつもない大音響が鳴り響いている。「なんだこれは!」と私。メンバーの一人酒井文彦さんが、「これ、今年レコードアカデミー大賞を受賞した”悲愴”です」。
 翌日、その「悲愴」(チャイコフスキー作曲・交響曲第6番)を聴く。再生がはじまっているのに音が聴こえない。いよいよ高齢現象の難聴かと思い、ボリュームをあげる。聴こえたきこえた。3分近くして展開部のフォルテ(強音)の部分になる。アッと驚く。スピーカが強音で破裂しそう。あわててボリュームを絞る。この「悲愴」を評論家の先生は「空前の悲愴」と名づけている。今までのCDと比較すると、演奏、録音ともダイナミックレンジが極端に広いのだ。弱音は徹底して弱く、強音は天地がひっくりかえるほど。オーケストラが咆哮する。
 15日(日)弟と東京文化会館でロッシーニの「スターバト・マーテル」を聴く。この時「空前の悲愴」の話をする。17日、弟の感想「テンポ、間、強弱いずれも今まで聴いたことがないものでした。録音はホールなのでしょうか。ものすごい大空間での響きですね」18日、夕方☎のベルが鳴る。秋田の兄からである。「カーステレオで聴いて、レコード大賞といってもこんなものか?と思っていたが、あんたから言われて、座敷の大型スピーカーで聴いて驚いたよ。音も凄いし、一つ一つの楽器が意味のある鳴り方をしている」。悲愴といえば、チャイコフスキーと同郷のムラヴィンスキー、帝王カラヤンが定番だが、新進指揮者クルレンツィスの演奏は破格である。クラシック演奏も時代とともに変わる。
 オッと、15日の「スターバト・マーテル」(聖母マリアの七つの悲しみ)<ロッシーニ没後150周年記念>も良かった。新人女性指揮者スカップッチ(写真・上)が劇的にまとめ、感動の拍手が沸き起こった。

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