年末となり、喪中ハガキが連日舞い込む。年々多くなる。自分の順番も近くなってきたと感じるこの頃である。ところで、「あの世」とはどんなところだろう?
本棚を探したら瀬戸内寂聴と玄侑宗久の対談「あの世、この世」が目についた。久し振りに読んでみた。
瀬戸内ーあの世はあるんですかとみんなが訊く場合、あってほしいという願望が込められていると思うんですよ。・・・愛する人が死んだ場合に、まだあの世で生きて待っていてくれると、そう思ったほうが慰めになると思うんですよ。
玄侑ーお釈迦さまはこの問いについては「無記」としてお答えにならなかったのですが、それは端的にいえば口でいってもわからないだろうからいわない、ということなんですね。
ワーグナーのオペラ「ローエングリン」をDVDで観た。このオペラも「あの世、この世」を舞台にしているといって良い。王女エルザを救うローエングリンは無意識の世界である「聖杯城」から白鳥に乗ってやってくる。演出家のレーホフは白鳥を光に変えている。ローエングリンは光の道を通って現実の世界に登場する。
オペラの凄いところは、この光の道を音楽で表現していることである。その音楽は幕開けの序曲で奏される。無音の状態から弦の旋律がさざ波のように湧き出してくる。”恍惚感”に体が浮揚する。
極楽に渡る三途の川も美しいに違いない。瀬戸内さんによると、最近は乗客が増えて渡し舟では追い付かず、フェリーがでているとか・・・。
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