2009年6月9日火曜日

ゴーギャンが愛した地上最後の楽園


 今年のはじめ、日本モーム協会・会員である飯沢正さんとお会いしたのがご縁で、サマセット・モームの代表作の一つである「月と六ペンス」を読んだ。

 この小説は画家のポール・ゴーギャンをモデルにしているが、登場人物の心理描写と筋立てが巧みであり一気に読ませる。また、文章のここかしこに教訓めいた言葉がちりばめられている。「人類は同じ円周をただ新しい足でめぐるのみ」「一人の心の中に卑小と偉大、悪意と善意、憎悪と愛情が同居している」「書く本や絵では無防備の自分がさらけだされる」「およそ人間という不可解な生き物を相手にしては確実といえることなど一つもない」「外科医として名を上げ、年収1万ポンドを稼ぎ、美人の妻を持つことが成功だろうか。結局は、人生をどう意味づけるかによる。社会から個人への要求と、個人から社会への要求をどう認識するかによる」等々・・・。

 ゴーギャンは1891年、タヒチ島に渡る。この場面の情景描写が秀逸である。「鳳凰木の緋色の花は、澄み切った青空に情熱の叫びのように広がる。恥知らずに咲き誇る花ーそれは暴力的なほどに官能的で、見る者の息を弾ませる。」この感動が”タヒチの女”の名画に結実するのである。

 ゴーギャンが愛した地上最後の楽園タヒチ。この楽園にも是非行ってみたいものである。

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